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物件が縁 地域なじみの味引き継ぐ 岡山のデニッシュ食パン店

BONISHの味を引き継いで開業した安倍さん
BONISHの味を引き継いで開業した安倍さん
ショコラやオレンジ、ストロベリー味などをそろえるDelishのデニッシュ食パン
ショコラやオレンジ、ストロベリー味などをそろえるDelishのデニッシュ食パン
 岡山市北区丸の内に、デニッシュ食パンの店「Delish(デリッシュ)」がある。飲食店を志していた男性が、物件がつないだ縁で2年半前まで営業していた前店と同じ業種を選び、地域になじんだ味を届けている。

 プレーン、ショコラ、紅茶にオレンジ味…。店に入ると焼きたてのパンの甘い香りがふんわり漂う。以前は建設業界で働いていた安倍成紀さん(32)=岡山市南区=が8月に開業した。

 夢だった飲食店をやりたいと物件を探していて、たまたま見つけたのが2021年1月まで「BONISH(ボニッシュ)」というデニッシュ食パンの店が営業していた場所。オーナーの藤井美保さん(40)ががん療養で続けられなくなって「居抜き」物件になっていたと知り、せっかくならその味を守ろうと決意した。

 デニッシュ食パン発祥の地とされる京都から仕入れるバター、小麦粉、卵、牛乳など材料は全て前店で使用していたものを引き継ぎ、作り方は藤井さんから教わった。開店後、前店の常連だった客から「再開したんじゃな」と声をかけられ、手応えを感じるという。

 遠方の人にもおいしさを届けようと移動販売に乗り出し、今後は定番メニューに加えて総菜パンなども考案する予定。安部さんは「前の店のファンだった方も大切にしながら、近くに来る機会の少ない人や若い客層にも味を広めていきたい」と話す。

 午前10時~午後6時。不定休。1枚200円から。詳細はインスタグラム(delish_bakery07)。

(2023年11月25日 15時23分 更新)

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