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慰安婦訴訟で日本が逆転敗訴 ソウル高裁、政府に損害賠償命令

 記者会見する韓国人元慰安婦の李容洙さん(中央)、李相姫弁護士(左)ら=23日、ソウル(共同)
 記者会見する韓国人元慰安婦の李容洙さん(中央)、李相姫弁護士(左)ら=23日、ソウル(共同)
 ソウル高裁が入る庁舎=2019年(共同)
 ソウル高裁が入る庁舎=2019年(共同)
 【ソウル共同】旧日本軍の元従軍慰安婦や遺族ら計16人が日本政府に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、ソウル高裁は23日、原告の訴えを却下した一審判決を取り消し、日本政府に元慰安婦の女性1人当たり2億ウォン(約2300万円)の慰謝料支払いを命じた。一審は国家は外国の裁判権に服さないとされる「主権免除」の原則があるとしたが、高裁はこれを認めなかった。

 日本政府は一審から訴訟に参加しておらず、判決は確定する公算が大きい。韓国の尹錫悦政権下で日韓関係が改善する中、両国間にしこりを残す可能性がある。

 高裁は、原告らは誘引や拉致などで動員され、軍人との性行為を強要されたとし、当時の日本が加盟していた国際条約や日本刑法に反する不法行為だと指摘。ある国民が自国内で被った不法行為を巡っては、加害国の主権免除を認めない国際慣習法が存在するとの見解を示した。

 原告の元慰安婦李容洙さん(94)は判決後の記者会見で「日本は公式な謝罪と賠償をしなければいけない」と語った。

(2023年11月23日 18時44分 更新)

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