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倉敷出身 画家大野さん遺作展開幕 市立美術館、人物や風景画44点

大野さんの作品が並ぶ郷土作家遺作展
大野さんの作品が並ぶ郷土作家遺作展
 倉敷市ゆかりの物故作家を顕彰する「第49回郷土作家遺作展」が14日、同市中央の市立美術館で開幕した。元県展審査会員の洋画家・大野昌男さん(1933~2020年)による風景画や人物画が並び、来場者が故人の画業をしのんでいる。19日まで。

 大野さんは同市連島町西之浦出身。岡山大教育学部特設美術科卒業後、岡山県内の中高、大学で美術指導に当たりながら創作し、東光展や日展で入選を重ねた。倉敷美術協会長を務め、13年には市文化連盟賞を受賞した。

 会場には油絵を中心に44点を展示。17歳で東光展に初入選した「水辺倉庫」は、同市玉島地区に残る古びた倉庫を写実的に表現している。自画像「アトリエのひととき」は、制作の合間に休憩する自身の姿を柔らかなタッチで描写。倉敷アイビースクエア(同市)や宝福寺(総社市)といった地元の風景を描いた作品もある。

 愛用していたパレットや筆も公開。長男の貴久さん(62)=倉敷市=は「作品が多くの人の目に触れ、父も喜んでいるはず。創作の息づかいを感じてほしい」と話していた。

 遺作展は市と市文化連盟、作家らでつくる実行委が毎年開催。時間は午前9時~午後5時15分。無料。

(2023年11月14日 16時37分 更新)

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