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TAKISAWA TOB受け入れ ニデック傘下で新たな成長戦略

ニデックによるTOBを受け入れる方針を発表したTAKISAWAの本社=岡山市北区撫川
ニデックによるTOBを受け入れる方針を発表したTAKISAWAの本社=岡山市北区撫川
 工作機械メーカーのTAKISAWA(岡山市北区撫川)は13日、モーター大手のニデック(旧日本電産、京都市)による株式公開買い付け(TOB)を受け入れると発表した。ものづくりを支える岡山の老舗メーカーは、大手傘下で新たな成長を目指す道を選択した。

 TAKISAWAは同日取締役会を開き、TOBへの賛同と株主への応募推奨を決議。岡山市内で会見した原田一八社長は「顧客層拡大などで企業価値が高まり、株主の利益も確保できると判断した」と述べた。

 ニデックは「グループ化によるシナジー(相乗効果)を理解してもらい、建設的な交渉ができた」とコメントした。14日からTAKISAWAの自己株式を除く発行済み全株式を取得し、完全子会社化を目指して買い付けを始める。

 価格は、TOB表明前日(7月12日)の東証スタンダード市場での同社株価の終値(1株1447円)に約8割のプレミアムを上乗せした1株2600円。株主総会の決議を単独で成立できる50%を下限として10月27日までに買い付ける。TOBに応じなかった株主への売り渡し請求なども計画している。買収総額は最大166億円に上る見込み。TOB成立後、同社は上場廃止になる公算が大きい。

 TAKISAWAは自動車をはじめ幅広い機械部品の製造に使われ、市場規模の大きい旋盤を主力とする。ニデックは2021年に工作機械事業に参入したが旋盤は手中になく、ラインアップの補完などを狙う。

 子会社化後の経営体制は未定だが、大手の資本を生かした開発力の底上げや、海外展開の強化などが期待される。ニデックは「TAKISAWAのブランドは維持する方向で慎重に検討する」としている。

 ニデックは1973年設立、資本金877億8400万円、連結売上高2兆2428億2400万円(2023年3月期)、グループ従業員約10万6千人。TAKISAWAは1922年創業、資本金23億1902万円、連結売上高279億9400万円(2023年3月期)、グループ従業員約750人。

(2023年09月13日 20時07分 更新)

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