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「自然災害と報道」テーマに議論 地方紙フォーラム、静岡で開幕

「自然災害と報道」をテーマに議論した地方紙フォーラム=静岡市駿河区
「自然災害と報道」をテーマに議論した地方紙フォーラム=静岡市駿河区
 山陽新聞社など全国の地方紙12社でつくる日本地方紙ネットワーク主催の「第20回地方紙フォーラムin静岡」が7日、静岡市駿河区の静岡新聞放送会館で、2日間の日程で開幕した。「自然災害と報道」をテーマに、初日は災害発生時の取材や災害の記憶の伝承について各社の記者が事例を報告した。

 ネットワーク代表の円城得之・京都新聞社編集局長は「災害報道は地方紙の存在意義を問われていると言ってもいい。正確で被災者の助けになる情報の発信だけでなく、災害の記憶を語り継ぎ、掘り起こすことも使命だ」とあいさつ。開催地を代表し、石川善太郎・静岡新聞社編集局長は「近年は豪雨が各地で発生している。災害に備えるために各地の経験を共有することが重要だ」と指摘した。

 基調講演で日本弁護士連合会災害復興支援委員会副委員長の永野海弁護士が、災害救助法の仕組みや報道機関との連携事例を紹介。記者自身が災害法制を学ぶ大切さを強調した上で「災害の経験を市民が教訓にして備えの実践につながるような報道をしてほしい」と呼びかけた。

 記者の事例報告では、2018年の西日本豪雨で倉敷市真備町地区の自宅が被災した古川和宏・山陽新聞社報道部副部長が、時間とともに変化する被災地の風景と心情を被災者の目線でつづる連載「まび日誌」の執筆を始めた経緯を紹介。「その時々の思いを書き残すことの大切さを実感している。これからも被災地の思いを自分なりの視点で発信し続けたい」と話した。

 最終日は「現場から伝える、課題を問う」「記憶を引き継ぐ、備える」の二つの分科会に分かれ、記者が意見交換する。

(2023年09月07日 20時06分 更新)

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