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マダニ活動活発化 感染症に注意を 県「山や草むらで肌露出避けて」

感染症を媒介するマダニ(県環境保健センター提供)
感染症を媒介するマダニ(県環境保健センター提供)
 秋の行楽シーズンを迎え、岡山県はマダニが媒介する感染症への注意を促している。マダニは春から活動が活発化し、県内ではこれまでに9人の患者を確認。外出が制限された新型コロナウイルス禍が落ち着き、遠出をして登山やキノコ狩りを楽しむ人も増えるとみられ、肌を露出しないなど対策が求められる。

 マダニが媒介する感染症は、発熱や下痢、吐き気の症状が出るウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」と、細菌を病原体とし、頭痛や発疹がみられる「日本紅斑熱」。SFTSは死亡率が3割近くに達するとされ、県内でも死亡例がある。

 県内では今年1~8月にSFTSが3人、日本紅斑熱が6人と計9人の患者が出ている。年代は30~80代で、多くは畑や山での作業中にかまれた可能性があるという。過去最多は2020年でSFTSが7人、日本紅斑熱が11人。

 マダニは体長1~3ミリで田畑や草むら、野生動物がいる場所に生息する。人に寄生すると数日間吸血を続け、痛みやかゆみがほとんどないため、付着に気付かないケースも少なくない。かまれたときに無理に引き抜くとマダニの一部が皮膚に残ることもある。

 県健康推進課は、山や草むらでは長袖、長ズボン、手袋を着用し、服の上や肌の露出部分に虫よけ剤を使うよう呼びかけるとともに「発熱など症状がある場合は早めに医療機関を受診してほしい」としている。

(2023年09月07日 20時09分 更新)

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