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関東大震災、表紙は焼けた国技館 初の地方場所、特集雑誌見つかる

 関東大震災直後と思われる国技館の写真を表紙に掲載した雑誌「愛知時事」(浅坂直人さん提供)
 関東大震災直後と思われる国技館の写真を表紙に掲載した雑誌「愛知時事」(浅坂直人さん提供)
 100年前の9月1日に発生した関東大震災による旧両国国技館全焼に伴い、翌1924年1月に代替地の名古屋開催となった大相撲春場所を特集した出版物が7日までに見つかった。当時は1、5月の年2場所制で全て東京開催。24年春場所が初の地方場所だった。

 資料は「愛知時事」という雑誌で、表紙に震災直後と思われる国技館や焼け野原となった周辺の写真を大きく掲載。日本相撲協会関係者は「このような本場所があったことを伝え残すためにも非常に貴重。歴史的価値が高い」と語っている。

 相撲史に造詣が深く、伊勢ノ海部屋マネジャーを務める元力士の浅坂直人さん(64)が雑誌の持ち主。約25ページにわたる内容で構成され、被災後の本場所開催の意義や当時の幕内力士を顔写真付きで紹介している。

 「新年大相撲特別号」と銘打った表紙にあえて痛ましい写真を選んだ点について、浅坂さんは「インパクトのある両国国技館の焼けた姿を載せることで被害の大きさを伝えるとともに、復興のシンボルにしようと考えたのではないか」と推察した。

(2023年09月07日 07時44分 更新)

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