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震災12年、「ホヤ漁師」の映画 海産物食べられず、宮城・石巻

 主人公役の「MOROHA」のアフロさん(左)(ロングライド/シグロ提供)
 主人公役の「MOROHA」のアフロさん(左)(ロングライド/シグロ提供)
 東日本大震災から12年半たった今年11月、被災地の宮城県石巻市の「ホヤ漁師」を取り上げた映画「さよなら ほやマン」が公開される。津波で行方不明になった両親を思い、12年間海産物を食べられなかった主人公がもがきながら生きていく姿を石巻出身の監督が描いた。主人公役を人気ラップグループ「MOROHA」のアフロさんが演じる。

 石巻市沖合の小さな島で暮らす兄弟の兄は親戚のホヤ漁を手伝い、貧しいながらも元気に日々を送る。ある日、島に1人の女性が東京からやってくる。女性は大金を見せながら、兄弟に家を売ってほしいと依頼。3人の奇妙な共同生活が始まった。

 兄は震災後、両親に代わり先祖代々続く実家を守ろうと、自分のやりたいことや夢を諦めていた。しかし女性に「自分のやりたいことをしろ」と言われ、心を揺さぶられ、迷い始める。

 庄司輝秋監督は石巻生まれ。大学からは東京でCMの映像制作などを手がけてきた。「いつか地元で映画を」と3年がかりで練った構想を映画化した。

 11月3日から新宿ピカデリー他で公開。

(2023年09月05日 17時39分 更新)

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