山陽新聞デジタル|さんデジ

全漁連、処理水に反対姿勢崩さず 首相、風評対策で理解求める

 東京電力福島第1原発=7月
 東京電力福島第1原発=7月
 東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、岸田文雄首相は21日午後4時、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長と面会する。政府関係者によると、22日午前に関係閣僚会議を開催、月内を軸に放出開始時期を最終判断するとみられる。それまでに安全性確保と風評被害対策を徹底する方針を伝えることで理解を得たい考えだが、全漁連側は反対の姿勢を崩していない。

 全漁連は今年6月、放出に「反対であることはいささかも変わらない」とする特別決議を採択。7月に西村康稔経済産業相と会談した際も、坂本氏が「反対の立場は変わっていない」と伝えている。

 漁業者には、処理水放出に伴う風評被害への懸念が根強い。政府は風評被害対策に300億円、漁業継続の支援に500億円の基金を設けたが、放出に反対する中国が輸入規制を強化しており、生産現場では影響が出始めている。

 海洋放出を巡っては、政府と東電が15年、福島県漁業協同組合連合会と「関係者の理解なしには(処理水の)いかなる処分もしない」とする約束を交わしている。

(2023年08月21日 12時29分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ