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首相20日に福島原発訪問 処理水の海洋放出時期判断へ

 東京電力福島第1原発の敷地内に並ぶ処理水の保管タンク=1月
 東京電力福島第1原発の敷地内に並ぶ処理水の保管タンク=1月
 岸田文雄首相は東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を巡り、22日に関係閣僚会議を開き、放出時期の最終的な協議を行う方針を固めた。政府関係者が19日、明らかにした。これに先立ち、同原発を20日に視察する。放出に反対姿勢を堅持する全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長と面会する日程も調整している。公明党の山口那津男代表は放出に反発する中国に対し、28~30日の訪中時に自ら理解を求める考えを示した。

 政府は放出時期を「夏ごろ」として8月末を軸に検討する。首相は「先送りできない課題だ。国として判断すべき最終的な段階に至っている」と訪問先のワシントンで記者団に強調した。

 首相は判断に当たり、漁業への影響を可能な限り抑制する観点などを総合的に踏まえる。福島第1原発訪問の際は、放射性物質で汚染された水を浄化する多核種除去設備(ALPS)などの関連施設を見て回る。東電の最高幹部が廃炉と復興に強い覚悟を持っているかどうかも見極める。

 全漁連側との面会は関係閣僚会議の開催前の21日を想定しているとみられる。

(2023年08月19日 18時26分 更新)

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