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中国、ロシア核物質の輸入最大 22年、新設の高速増殖炉向けか

 中国福建省霞浦県で建設が進む高速増殖炉とみられる施設((C)Google)
 中国福建省霞浦県で建設が進む高速増殖炉とみられる施設((C)Google)
 【北京共同】中国が2022年にロシアから調達した原発用核物質の輸入額が、統計を確認できる15年以降で最大の4億9千万ドル(約690億円)に上ったことが29日、分かった。年内にも稼働させる新設の高速増殖炉向けに核燃料を受け入れた可能性がある。高速増殖炉では核兵器に使う高純度プルトニウムを生成できる。中国は米国に対抗して軍事力を強化しており、ロシアの協力を受けながら核戦力増強に利用する恐れがある。国際社会の懸念が高まりそうだ。

 中国税関総署のデータベースによると、中国がロシアから輸入した濃縮度の高いウランやプルトニウムなどを含む原発用核物質は、15年が約1億9千万ドルで、19年は3億ドルに迫った。減少する年もあったが、22年の4億9千万ドルは突出して多かった。

 中国は福建省霞浦県で高速増殖炉「CFR600」を建設中。計2基のうち1号機は年内稼働が見込まれる。既に燃料の受け入れが始まっているもようだ。米メディアなどによるとロシアは22年9~12月、CFR600の核燃料計25トンを輸出した。

(2023年07月29日 21時01分 更新)

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