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「RORO船」宇野港で見学会 トラック輸送の時間短縮PR

トレーラーなどを積載できる大王海運の「第五はる丸」の見学会
トレーラーなどを積載できる大王海運の「第五はる丸」の見学会
 大王海運(東京)は18日、トレーラーなど車両運搬用貨物船「RORO船」の見学会を玉野市・宇野港で開いた。物流危機が懸念される「2024年問題」を踏まえ、輸送手段を船などに切り替えるモーダルシフト推進をPRしようと企画。岡山県内外の荷主、物流業者ら約200人が、トラック輸送の時間を大幅に短縮できるRORO船の説明を受けた。

 2024年問題は、トラック運転手らの時間外労働(残業)の上限を年960時間に規制する改正労働基準法が来年4月に適用されることで、物流が停滞する恐れが指摘されている。同社のRORO船輸送では、主に荷物を積み込んだトレーラーを目的地近くまで運ぶことから、トラック運転手は港からの運送だけで済む。同社が週6日運航する岡山―千葉間のルートでは、トラック運転手の運転時間が9割削減できたという。

 21年から宇野港に入港している「第五はる丸」(全長179・9メートル、1万2404総トン)を見学。運転席とエンジンがある頭の部分を切り離し、荷台部分のトレーラーだけを輸送していることなどの説明を受けた後、トレーラー160台分が積み込めるスペースを見て回った。

 大王海運の曽我部雅司社長は「岡山は山陰や広島県、兵庫県西部などから荷物が集まる重要な拠点」とした上で、「見学会には予想以上の参加があり、2024年問題への関心の高さを感じた。他の物流業者と協力しながら解決策を探っていきたい」と話した。

(2023年07月18日 17時36分 更新)

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