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「少数者対応、真剣に考えて」 トイレ制限訴訟勝訴の原告職員

 判決後、記者会見する経産省職員(奥左)ら=11日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ
 判決後、記者会見する経産省職員(奥左)ら=11日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ
 経済産業省内の女性用トイレの使用制限を巡る訴訟で、勝訴した性同一性障害の50代職員は11日、東京都内で記者会見した。「関係者はこの判決の重みを無視できない」と評価し「障害者や同性愛者などの少数者への対応を、抽象的ではなく、具体的に真剣に考えないといけない」と求めた。一方、賠償額が11万円にとどまったことは「不当」とした。

 職員は最高裁の判決文を手に「判決理由よりも、それぞれの裁判官の補足意見がポジティブに書かれていると感じた」と述べ、少し笑みも見せた。「性同一性障害者に対する判決だが、まだ差別が残っている事案についても適用できる判決ではないかと思う」と指摘した。

 終始落ち着いた様子で、言葉を選びながら記者の質問に応じた。現在の職場での状況について「人事異動などの際、事前にトイレを使うために説明しないといけない。異動が長くされていないことも、差別的な待遇と思っている」と語り「他の職員と比べ、差別がない対応にしてほしい」と要望した。

(2023年07月11日 20時23分 更新)

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