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処理水海洋放出「容認できない」 福島県漁連、経産相が説明も

 福島県漁業協同組合連合会を訪れた西村経産相(右)。野崎哲会長(左)は海洋放出への反対意見を述べた=11日午後、福島県いわき市
 福島県漁業協同組合連合会を訪れた西村経産相(右)。野崎哲会長(左)は海洋放出への反対意見を述べた=11日午後、福島県いわき市
 西村康稔経済産業相は11日、福島県漁業協同組合連合会(県漁連)を訪れ、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出計画を検証した国際原子力機関(IAEA)の包括報告書を説明し、海洋放出に理解を求めた。県漁連の野崎哲会長は終了後に「漁業者として海で操業する観点と、関係者の合意なしには海洋放出しないと約束した点から、容認する立ち位置には立てない」と放出反対を強調した。

 政府と東電は2015年、県漁連に「関係者の理解なしには(処理水の)いかなる処分もしない」と約束。放出設備は既に完成しており、政府が「夏ごろ」放出を開始するには、地元漁業者の理解をどうやって得るかが最大の焦点だ。

 西村氏は冒頭に「IAEAの包括報告書や原子力規制委員会の使用前検査を通じ、放出前の安全性が確認された」と説明。「廃炉と福島の復興を進めるためには、処理水の処分は避けて通れない課題だ」として理解を求めた。野崎氏は「われわれは基本的に処理水の海洋放出には反対の立ち位置だ」と述べた。

(2023年07月11日 19時12分 更新)

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