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AS、ウクライナ双子姉妹が舞う 福岡で、「国の強さを示したい」

 見つめ合うアーティスティックスイミングでウクライナ代表のウラディスラワ(左)とマリナ=3月、キーウ(共同)
 見つめ合うアーティスティックスイミングでウクライナ代表のウラディスラワ(左)とマリナ=3月、キーウ(共同)
 福岡市で14日に開幕する水泳の世界選手権にアーティスティックスイミング(AS)のウクライナ代表が出場する。中心は双子のアレクシーワ姉妹。ロシアの侵攻を受ける母国の首都キーウ(キエフ)で調整してきた姉マリナは「自分たちの国の強さを示したい」と断固たる決意で臨む。

 昨年2月、練習拠点だった東部ハリコフが激しい砲撃を受けた。代表チームはイタリアに渡ったが、20人近い大所帯での国外生活に妹ウラディスラワは「資金面で厳しかった」という。昨夏の世界選手権で金2銀5のメダルを獲得した後、キーウに移った。

 家族と会える喜びをかみしめたものの、十分な練習ができる環境ではなくなっていた。ハリコフの施設は破壊され、キーウでは空襲警報が鳴れば練習中でもシェルターに身を隠す必要があった。

 氷点下の冬場に大規模な攻撃を受けた時は週に何度も長時間停電。マリナは「冷たいシャワーを浴び、髪も乾かせなかった」と明かす。ウラディスラワは「他国の選手より練習時間は短く、つらい」。それでも屈することなく、準備してきた。

(2023年07月08日 10時21分 更新)

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