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原子力規制委員長、引き続き監視 福島の処理水放出で設備運用

 記者会見する原子力規制委の山中伸介委員長=5日午後、東京都港区
 記者会見する原子力規制委の山中伸介委員長=5日午後、東京都港区
 原子力規制委員会の山中伸介委員長は5日の記者会見で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出で設備面の準備が整うことに関して「引き続き、設備が計画通りに運用されているかどうか、監視、指導していきたい」と述べた。東電に対しては「ささいな人為的ミスもないように(放出を)遂行してもらいたい」と注文を付けた。

 規制委は最終確認となる使用前検査で、トラブル発生時に処理水放出を止める緊急遮断弁や、放出口になる海底トンネルの性能に問題がないことを確認。5日の定例会合で、7日に「検査合格」を示す終了証を東電に交付する方針を示した。

 海洋放出を始めるには(1)放出設備の完成(2)国際原子力機関(IAEA)による包括報告書の取りまとめ(3)規制委の検査合格―が必要。検査終了証の交付で設備面の準備は完了し、岸田文雄首相が放出開始時期を判断する前提が整うことになる。

 今後は、放出に反対する漁業者への理解の取り付けが大きな焦点となる。

(2023年07月05日 22時37分 更新)

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