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「虐待で息子の人生破壊」と両親 東京・府中、福祉法人と市に憤り

 社会福祉法人「清陽会」とやりとりした文書を前に話す金成祐行さん=東京都府中市
 社会福祉法人「清陽会」とやりとりした文書を前に話す金成祐行さん=東京都府中市
 東京都府中市の社会福祉法人「清陽会」で約10年間、知的障害者への虐待が続いていた問題で、被害を受けた元利用者の男性(26)の両親が29日までに共同通信の取材に応じた。「虐待で息子の人生はめちゃくちゃにされたのに、法人は不誠実な対応を繰り返した。市がもっと早く対応してくれていたら、こんなことにはならなかった」と訴えている。

 取材に答えたのは、府中市の金成祐行さん夫婦=ともに(56)。知的障害と自閉症のある長男が2017年から同法人の施設に通所を始めた。ただ同法人の第三者委員会の調査報告書によると、市職員OBの元副理事長による利用者や職員への暴行・暴言が、この時点で既に常態化していた。夫婦は「そんな状態だと知っていたら当然、利用しなかった」と話す。

 長男は通所を始めてから行動障害が激しくなり「目をつぶれ!」「足を上げろ!」といった言葉を突然言うように。

 自閉症の人は他人から言われた言葉を繰り返したり、行動障害を起こしたりすることがある。長男は心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。

(2023年06月29日 16時44分 更新)

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