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ハンセン病 過酷な歴史知って 県庁でパネル展 瀬戸内の2園紹介

ハンセン病療養所入所者の過酷な生活などを紹介したパネル展
ハンセン病療養所入所者の過酷な生活などを紹介したパネル展
 ハンセン病問題について理解を深める啓発パネル展が19日、岡山県庁1階県民室で始まった。瀬戸内市の国立療養所・邑久光明園と長島愛生園を取り上げ、入所者に対して行われた隔離や人権侵害など過酷な歴史を紹介している。

 「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」(22日)を前に県が企画。国による患者隔離政策など法制度の変遷や、両園での暮らしぶりについてパネル17点にまとめた。

 入所者の出入りを制限するために光明園が発行した「外出許可証」や、逃げ出した入所者を閉じ込めた愛生園の「監房」を写真を添えて説明。強制隔離を定めた「らい予防法」のパネルは、米国で開発された特効薬が戦後間もなく日本に入り確実に治る病気になっても、1996年まで法が廃止されず「入所者を苦しめ続けた」と記す。

 入所者の証言を基に社会の偏見・差別の実態を伝えるアニメを上映しているほか、関連書籍や漫画も展示。男性会社員(48)=岡山市北区=は「すさまじい差別があったことに衝撃を受けた。二度と繰り返さないようにしなければ」と話していた。

 30日までで午前8時半~午後5時。24、25日は閉庁。

(2023年06月19日 10時50分 更新)

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