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1号機堆積物、容器底に広く分布 福島第1原発の内部調査

 福島第1原発1号機の状況
 福島第1原発1号機の状況
 東京電力は福島第1原発1号機で実施した原子炉格納容器内の調査を踏まえ、溶け落ちた核燃料(デブリ)を含む可能性が高い堆積物の「分布図」を作った。デブリが原子炉圧力容器を突き破り、真下にある土台の開口部から格納容器の底部にまで流れ出たとされる事故進展の推測を裏付ける材料になりそうだ。

 1号機は2011年の事故で炉心溶融(メルトダウン)が起き、ほぼ全ての核燃料が溶け落ちたとみられる。核燃料は炉内の構造物と混ざり合い、冷え固まったデブリは279トンとの推計もあるが、正確な分布状況は把握できていなかった。

 東電は今年3月、水がたまった格納容器に水中ロボットを投入。堆積物に超音波を当てて、分布や立体的な形状を調べた。堆積物の高さは0・25~1・13メートルと場所によって違いがあった。

 原子炉を支える土台の開口部に近いほど堆積物は高く、離れるほど低くなっていた。開口部付近では、表面がごつごつした板状や塊状の堆積物も見つかった。溶融物が、開口部から外側に流れ出た可能性が考えられる。

(2023年06月17日 16時26分 更新)

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