山陽新聞デジタル|さんデジ

菅茶山ゆかり「丁谷の梅林」満開 福山・神辺、歴史と春の息吹堪能

見頃を迎えた丁谷の梅林
見頃を迎えた丁谷の梅林
 福山市神辺町出身の漢詩人・菅茶山(1748~1827年)ゆかりの「丁谷(ようろだに)の梅林」(同市神辺町川南)で紅白の梅が見頃を迎えた。市内外から訪れた愛好家らが、歴史ロマンに浸りながら春の息吹を堪能している。

 約30アールの斜面に紅梅、しだれ梅など約80本が点在。管理する柏田博晴さん(73)=同市=によると、今年は咲き始めが遅れたが、今月上旬の陽気で一気に開花が進み満開を迎えた。24日ごろまで楽しめるという。

 梅林は茶山の私塾・廉塾で塾頭を務めた儒学者・頼山陽(1780~1832年)が広島から京都に向かう途中に立ち寄り、2人で酒杯を交わしたとされる。別れを惜しむ茶山の漢詩も伝わる。

 地域住民5人ほどが草刈りや剪定(せんてい)といった世話を続ける。私有地だが、見学自由。メジロやウグイスなどの野鳥観察もできる。柏田さんは「茶山と山陽の心情を思い浮かべ、花を観賞してほしい」と来場を呼びかける。

(2023年03月14日 19時56分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ