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岡山県が「医療非常事態」宣言 県医師会長は「現場から悲鳴」

岡山県の「医療非常事態」を宣言する伊原木知事(右)と松山県医師会長
岡山県の「医療非常事態」を宣言する伊原木知事(右)と松山県医師会長
 岡山県の伊原木隆太知事は21日、臨時の記者会見を開き、県内の新型コロナウイルス感染者数が1日で100人を超えるなど医療機関が逼迫(ひっぱく)した状況にあるとして、県独自の「医療非常事態」を宣言。宴会やカラオケといったリスクの高い行動を控えるよう呼び掛けた。

 宣言では「一人一人が最大限の対策を取らない限り、感染は止まらない」と指摘。対応が不十分な状況での宴会や飲食、カラオケの取りやめ▽体調不良な人の休業▽事業所、店舗での対策の再点検―などを要請している。

 新型コロナの入院患者を受け入れる県内医療機関の病床使用率は、16日までの直近1週間の集計で47・7%。17日以降も新規感染者が急増しており、政府の分科会が示す最も深刻な「ステージ4(爆発的感染拡大)」の指標(50%以上)に達したとみられている。

 会見で伊原木知事は「医療機関に余力がなく、従事者も疲弊している。年末年始はさらに厳しくなる」と県民の協力を強く求めた。同席した県医師会の松山正春会長も「恐るべき状況で、このままでは医療崩壊も近い」と危機感を訴えた。

 県内では20日、過去最多となる111人の感染が判明し、患者は累計で千人を上回った。10月以降、病院や事業所、高齢者施設などでクラスター(感染者集団)が相次ぎ、岡山、倉敷市内では50人超の大規模クラスターが発生。この日も29人の感染が新たに確認されている。


 ■21日に「医療非常事態」を宣言した岡山県。臨時会見した伊原木隆太知事、松山正春県医師会長と報道陣の主なやり取りは次の通り。

 ―県内の感染者数が(20日は)1日当たり100人を超えた。

 松山会長 県民に行動自粛をお願いしてきたが、うまくいかなかった。病院は病床を増やして対応しているが人員確保ができていない。外来の縮小や救急の受け入れ困難な状態が始まっており大変危惧している。

 伊原木知事 感染しても入院できるとは限らないところまで追い込まれている。春と夏の対策が通用しなくなっている。クリスマスやお正月は静かに過ごしてほしい。

 ―宣言を出した狙いは。

 伊原木知事 経済を回すよりも拡大防止に主軸を置いて取り組まざるを得ない状況に入った。強制力があることはできないが、われわれとしては一番強い形でのお願いを出した。

 ―宣言の期間は。

 伊原木知事 できるだけ早く解除したいが、どれだけ県民に行動を変えてもらえるかにかかっている。感染者がゼロになるまでとは考えていないが、中途半端に解けばぶり返す可能性がある。慎重に見極めたい。

 ―医療現場の現状は。

 松山会長 各病院から悲鳴のような言葉が上がっている。医療従事者に対する誹謗(ひぼう)中傷で離職も進んでいる。この状態が続くのは非常に危険だ。

【新型コロナウイルス 岡山の感染状況まとめ】

(2020年12月21日 12時17分 更新)

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