山陽新聞デジタル|さんデジ

インフルの治癒証明書 今季は不要 県と26市町村立学校 コロナ対策

県教委が治癒証明書の代わりに導入するように県立学校に通知した保護者記入の報告書の例
県教委が治癒証明書の代わりに導入するように県立学校に通知した保護者記入の報告書の例
インフルの治癒証明書 今季は不要 県と26市町村立学校 コロナ対策
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、岡山県と県内26市町村の教委が、インフルエンザになった児童生徒の登校再開に必要な「治癒証明書」の学校への提出を今季は不要とすることが山陽新聞社の調査で分かった。証明書取得のために医療機関を受診して、新型コロナに感染してしまうリスクを減らすのが狙いで、従来の4市町から一気に拡大する。保護者らに報告書を記入してもらうことなどで代用する。

 治癒証明書は、医師の診断に基づき完治したことを証明する書類。学校側が保護者に提出を求める法的根拠はなく、自治体によって運用が異なる。これまで県内では総社、高梁、瀬戸内市と吉備中央町が保護者の負担軽減などを理由に「不要」としてきた。

 流行期を前に、公立学校での今季の対応を各教委に尋ねたところ、県と26市町村が「不要」と回答。勝央町のみ「検討中」とした。

 県教委は従来、高校や特別支援学校など県立全69校で証明書の提出を求めていたが、県医師会と調整した上で10月中旬に取りやめを決めた。代替措置として、受診した医療機関や発症後の体温の経過などを所定の報告書に書いて提出してもらうこととし、各校に様式の例を通知した。

 県教委保健体育課は「医師会側からも、人と人との接触する機会を減らせると理解を得られた」と説明する。

 市町村教委では、新たに22市町村が不要とする。17年度から廃止の検討を進めてきた岡山市は、今月1日に運用を変更。新型コロナを契機に、市立の小中高で体調の変化を家庭で毎日記録する健康観察表を取り入れており、「自己申告の報告内容で十分把握できる」と担当者。倉敷市も地元医師会から「コロナ対応でインフルエンザの検査が追い付かない」などの意見が出たことを考慮した。

 治癒証明書を巡っては、取得のため医療機関に連れて行く保護者の負担や施設内での二次感染のリスクを指摘する意見がある。一方で、保護者が安心して子どもを学校に通わせられるメリットも否定できない。

 検討中とした勝央町は「校内でのインフルエンザ拡大防止に一定の役割を果たしてきた。簡単に無くしていいものではない」と説明。鏡野町の担当者は「医師が発行した書類は回復を証明する担保になる。今季は不要とするが、新型コロナが収束すれば提出を求めることも考えている」と話す。

 治癒証明書 学校が準備した用紙に医師が診断結果を記入する。医療機関によって有料と無料の場合がある。インフルエンザは学校保健安全法で出席停止が必要な感染症に指定されているものの、治癒証明書の取り扱いについての定めはない。

(2020年12月08日 07時13分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ