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まび日誌ー被災記者から 自分や家族を守るには

自宅2階の外壁。浸水の跡がうっすらと残っている
自宅2階の外壁。浸水の跡がうっすらと残っている
 リフォームした自宅の外壁に目を凝らすと、水平にうっすらと茶色の線が見える。地面から約4メートルの2階部分。2年前の西日本豪雨で浸水した跡が、今も残る。

 こんなところまで泥水が迫ったとは。とても信じられない。

 次第に水位を増す濁流、臭気を放つ重い泥にまみれた家の中、連日駆け付けてくれた友人、果てなく続いた片付け、一度は更地になった近くの実家とともに、ようやくリフォームを終えた自宅。

 2年間は長かった。人生を左右する出来事ばかりで、いまだに整理がつかない。

 倉敷市真備町地区では住宅の再建、河川の改修などが進む。同時に、災害の記憶の継承も始まっている。各所に残る浸水ラインにサインをつける活動に地域住民が取り組んでいるのは「被害の痕跡を伝え、災害への備えを万全にする」との思いからだ。

 今年も出水期を迎え、全国で集中豪雨が相次いでいる。熊本県南部では、球磨(くま)川の氾濫により甚大な被害が発生している。ニュースで流れる、あの日の真備と同じような光景に言葉を失う。

 毎年のようにどこかで大規模災害が起きる現実を前にすれば、防災、避難の在り方について真剣に向き合い、備えに万全を期すのは待ったなしだ。

 まずは「自助」として、住んでいる地域のハザードマップを確認し、具体的な危険性を頭に入れる。行動計画を立て、家族で共有する。食料や水、懐中電灯といった防災グッズを手元に置いておく。警報が発令されたら自治体の情報をこまめにチェックする―。さらに新型コロナウイルス対策も含めた避難を想定しなければならない。

 自分や家族を守るには何が必要なのか。2年の節目を、それぞれが問い直す契機にしてほしい。真備に戻った私たちを含めて。

(2020年07月07日 08時01分 更新)

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