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仮設団地の高齢者孤立を懸念 真備、船穂 コロナで交流機会激減

仮設住宅の自室でテレビを見る花田さん。外出せず、誰とも話さない日もあるという=倉敷市真備町
仮設住宅の自室でテレビを見る花田さん。外出せず、誰とも話さない日もあるという=倉敷市真備町
 新型コロナウイルスの感染を防ぐためとして、西日本豪雨の被災者が暮らす倉敷市真備、船穂町地区にある全6カ所の仮設団地で集会所のサロン活動が軒並み中止となり、高齢者らの孤立が懸念されている。自宅の再建などにより団地の入居者が減る中でサロンを通じた交流機会が激減し、誰とも一日会わないという高齢者もいる。同市社会福祉協議会は孤立防止に向けた取り組みを模索している。

 「みんなと会って話をするのが元気の源だったのに…」

 真備町地区の岡田仮設団地(4月末現在10戸)で1人暮らしをする花田茂さん(80)は集会所の玄関前で、空欄の目立つ予定表を見ながら漏らす。

 3月までは茶話会や体操、手巻きずし作りといったサロン活動が毎週あったが、新型コロナの影響で4月から全面中止に。外出機会が減り、家でテレビだけ見て過ごし、誰とも話さない日もあるという。

 サロンがある日には、集まった入居者と散歩したり、学生ボランティアを連れて町内を案内したりしていた。「サロンがまたあるという楽しみが日々の生活の張り合いにもなっていた。今はそれがないのがつらい」と花田さんは言う。

 6カ所の仮設団地のうち最も規模の大きい真備総仮設団地で夫と暮らす70代女性もさみしさを募らせる。2018年7月の豪雨後、ピーク時に約80戸が暮らしていた団地は今年4月末現在41戸に減少しており、「新型コロナで交流が一段と減り、日中、入居者を見掛けることが少なくなった」と残念がる。

 市社会福祉協議会によると、サロンの開催は入居者が話し合って決めており、他の団地でも同様に中止されている。緊急事態宣言が岡山県内で解除されたとしても、「高齢者は感染リスクが高く、サロン活動をすぐに再開するのは難しいのでは」(市社協)という。

 市社協では電話や戸別訪問での見守りのほか、新たな取り組みも進めている。その一つが、手芸を得意とする人へのマスク作りの依頼。一般から寄付を受けたさらしやゴムひもを材料として渡して作ってもらい、地域住民に贈っている。誰かの役に立つ作業を通して、人とのつながりを感じてもらう狙いだ。入居者が近況報告などを書き込む用紙を回覧板に入れて団地内で回す計画もある。

 倉敷市によると、6カ所の仮設団地には4月末現在、計141戸が入居。市社協で入居者支援に当たっている松岡武司主幹(41)は「長期の避難生活にコロナ禍が重なり、被災者の精神的負担はとても大きい。心の支えになる取り組みを考えていきたい」としている。

(2020年05月13日 22時47分 更新)

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