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伝統技術と地球環境を次世代に繋げていくためのプロジェクト第4弾「石州和紙」から紡いだ紙糸とアップサイクル紙糸「TSUMUGI」がコラボレーションした「石見神楽コースター」を4月25日(木)より販売開始

2024年04月25日 15時00分 更新
一般社団法人アップサイクル
~石見地方の伝統芸能「石見神楽」をモチーフにデザイン~

業界の垣根を超えた各社が連携し、従来のリサイクルの枠を超えた新たな取り組みを展開する一般社団法人アップサイクル(所在地:大阪市、代表理事 森原 洋) は、「ネスカフェ」や「キットカット」をはじめとする使用後の紙資源や未利用の間伐材を紙糸にアップサイクルするプロジェクト「TSUMUGI」において、日本伝統工芸とのコラボレーション第4弾として、参画している「紙布織 山内」(所在地:島根県川本町、代表:山内 ゆう) と共同で「石見神楽コースター」を制作し、2024年4月25日(木)に販売を開始します。



ユネスコ無形文化遺産である “石州和紙” の伝統技術と地球環境を、次世代に繋げていくためのコラボレーション


石州和紙の歴史は、約1300年前にさかのぼります。1798年に発刊された「紙漉重宝記」によると、「柿本人麻呂が石見の国の守護で民に紙漉きを教えた」と記されており、現在に至るまで島根県西部・石見地方で作られ、受け継がれています。
石州和紙は、他産地と比べて原料である楮の繊維が長く、非常に丈夫で長持ちするため、古文書や貴重な資料の保存に適しています。この特性を生かして、書画用紙や便箋だけでなく、襖紙や照明器具などのインテリアにも利用され、その用途の広さも魅力の一つです。
石州和紙の製法には、伝統的な手漉きの技術が続けられており、1969年に国の重要無形文化財指定を受け、2009年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。現在も約1300年に及ぶ歴史を持つこの文化は、若手職人によって受け継がれています。

「紙布織 山内」では、この石州和紙を用いて染織作品を製作しています。この工房では、石州和紙をカッターで細く切ったものを霧吹きで湿らせたのち、ブロックの上でもみ、糸車で撚ることで紙の糸にするという、全国的にもめずらしい伝統技法を用いています。



石見地方で広く親しまれている ”石見神楽” をモチーフにしたコースターを制作


こうした中、一般社団法人アップサイクルに参画している「ネスレ日本」や「神戸市」らが推進する使用後の紙資源や未利用の間伐材から紙糸を制作するプロジェクト「TSUMUGI」と、石州和紙を用いた染織作品の制作を行っている「紙布織 山内」のコラボレーションが実現しました。伝統技術と地球環境を次世代につなげていくため、島根・石見地方で広く親しまれている「石見神楽」をモチーフにデザインを行い、経糸に「TSUMUGI」、緯糸に「紙布織 山内」の紙糸を用いて、「コースター」を制作しました。

このコースターは100%紙糸を用いているため、軽量でありながらも、つるっとした手触りを楽しめます。また、紙糸は藍染めされているため、美しい色合いや独特の質感、そして伝統的な日本の文化を感じることができます。さらに、コースターの模様は絣織という特殊な手法で織られています。この手法では、柄にする部分の糸をビニールテープでくくった後、藍で染めあげます。その後、ビニールテープをほどいて織っていくことで、藍で染まらなかった部分が白い模様として浮かび上がります。その結果、柄の輪郭がわずかにずれてにじんだように見え、あらかじめ織った布に染色を施す手法では再現できない、手仕事ならではの独特な風合いを生み出すことができます



<コースター製作過程>
商品概要


サイズ: 縦 11 cm×横 10 cm
販売価格:2,990円(税込)
原産国: 日本
分類外繊維(和紙)100%
コンセプト


コースターは、島根・石見地方の伝統芸能である「石見神楽」をモチーフにデザインしました。
「石見神楽」は、豊作や豊漁を祈願するために平安時代の民衆が行った行事が始まりだと言われています。八調子と呼ばれる早いテンポのお囃子や、煙や紙テープなども駆使した派手な演出は、現代においても地域住民・観光客を問わず虜にしています。
このコースターによって、石州和紙を用いた染織の伝統技術と、紙・木材資源を再利用する地球環境への配慮だけでなく、「石見神楽」という伝統芸能を将来世代に伝え、未来を紡いでいく役割も果たしています。


デザイン




龍は海や雨を司る「龍神」として、古くから信仰を集めてきました。
石見神楽の衣装では迫力満点の龍が暴れ回るような構図が多くありますが、その中でも、天の世界から地上へ幸運をもたらすとされる降龍の様子を切り取っています。

牡丹

「牡丹に唐獅子」は、石見神楽の衣装にも取り入れられています。
衣装いっぱいに跳ね回る唐獅子が立体的な刺繍で表現されるのに対して、牡丹は動きもなく平面的であるものの、ぽってりとした花の形だけで「百花の王」の称号に相応しい存在感と艶やかさを発揮しています。





渦模様は世界各地で見られる文様で、多くの解釈が為されています。
石見神楽の見どころのひとつとして、舞手が高速で回転する動作がありますが、その動きと衣装に散りばめられた渦模様によって、鑑賞者まで演目の一部として巻き込まれていくような感覚にしてくれます。





<コースターのモチーフになった石見神楽 (上:「龍」、中央:「牡丹」、下:「渦」)>
販売場所


<ネスカフェ 原宿>
「Make your world」をコンセプトに2024年4月にリニューアルオープンした
「ネスカフェ」の旗艦店です。“美味しさ”と“遊び心”のあるメニューを楽しみながらゆったりできる、
くつろぎの空間となっています。
●住所 東京都渋谷区神宮前1-22-8 JR原宿駅竹下口より徒歩2分
●時間 11:00~20:00
2024年3月22日(金)発行プレスリリース:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000404.000004158.html

<ECサイト>
「TSUMUGI」商品の販売やイベント情報等を発信するほか
新規コラボレーションの問い合わせも受け付けています。
●URL:https://tsumugi-upcycle.com/

参考資料


■紙布織 山内について
東京や京都で和裁・染織を学び、島根県安来市の出雲織工房へ入門しました。その後染織家として独立し、「紙布織 山内」の屋号で木綿や紙布の制作を行っています。工芸品のみならず、紙布を題材としたアート作品の制作や、民藝としての紙布の歴史研究にも取り組んでいます。

■一般社団法人 アップサイクルについて

一般社団法人アップサイクルは“現代および将来の世代のために持続可能な社会の実現”を掲げ、日清紡グループのニッシントーア・岩尾株式会社、ネスレ日本株式会社、「紙布織 山内」をはじめとする36の企業や団体(※)からなる企業連携プラットフォームです。 ※2024年4月25日時点
団体概要
設立日:2023年2月7日
所在地:大阪市中央区本町3丁目
代表理事:森原 洋 (ニッシントーア・岩尾株式会社 繊維事業本部テキスタイル部長)
理事:嘉納 未來 (ネスレ日本株式会社 執行役員 コーポレートアフェアーズ統括部長)
副理事:上田 俊友 (TOPPAN株式会社 関西トッパンアイデアセンター本部長)
副理事:海保 学 (シーエヌシー株式会社 代表取締役)
事務局長:瀧井 和篤 (ネスレ日本株式会社)
WEBサイト:https://upcycle.or.jp

■プロジェクト「TSUMUGI」について

プロジェクト「TSUMUGI」は、使用後の紙資源や未利用の間伐材を紙糸に生まれ変わらせる取り組みです。紙糸は、天然繊維ならではの柔らかさと、軽量性、吸放湿性が特徴で、まるで自然の中にいるようなやさしい肌触りを感じることができます。これまで、ECサイトと後楽園のカフェ「クラフト & テロワージュ」にて、この紙糸を使用したオリジナルTシャツやトートバッグを販売してまいりました。しっかりとした縫製で、みなさまに長く愛用してもらえるようMade in Japanならではの技術が詰まっています。「TSUMUGI」という名前には、わたしたちと地球や社会・地域コミュニティを紡ぐ象徴として手に取っていただきたいという想いが込められています。


◇伝統技術と地球環境を次世代につなぐプロジェクト
第1弾:「アップサイクル加賀友禅手ぬぐい」を 2023年12 月 8 日(金)より販売開始 
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000117594.html
第2弾:「アップサイクル水引」2024年1月31日(水)より販売開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000117594.html
第3弾:アップサイクル「彩ひな(Irodori-Hina)」を2024年2月5日(月)より50対限定で販売
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000117594.html
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