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【株式会社海上パワーグリッド】穏やかな海域での海上送電に適した、バージ型電気運搬船「Power Barge」を発表

2024年04月23日 17時00分 更新
株式会社パワーエックス
船舶用コンテナ蓄電池を96個を搭載し、約2.4万世帯が使用する電力を輸送



 株式会社パワーエックスの完全子会社である株式会社海上パワーグリッド(本社:東京都港区、代表取締役:伊藤 正裕)は、現在開発中の電気運搬船の派生モデルとして、短距離かつ穏やかな海域での運用に最適なバージ船「Power Barge(パワーバージ)」のコンセプトを発表いたします。海上パワーグリッドは、蓄電池技術を活用し、海上電力輸送を可能にすることを目指しています。現在設計中の電気運搬船「Power Ark」および将来展開予定の「Power Barge」を戦略的に併用することで、運用効率と経済性の向上を図り、日本国内における海上送電ミッションの実現を目指しています。

 「Power Barge」は、全長約81m、載貨重量約6,000tに及ぶ大型バージ船で、推進機関を持たず、効率的に大量の荷物を運ぶために設計されています。このバージ船は主に、日中に太陽光発電などにより生成された余剰電力を、都市部などの電力需要地へ送電する役割を担っています。「Power Barge」には、パワーエックス社製のコンテナ型リン酸鉄リチウムイオン蓄電池が96個搭載されており、これにより一度に最大240MWhの電力(約24,000世帯が1日に利用する量)を運ぶことができます。筏形状の船体を持つため、「Power Barge」は瀬戸内海のような月平均有義波高が1.0m以下の穏やかな海域での使用に最適化されており、電気運搬船「Power Ark」と比べて、コストを抑えることが可能な船として設計されました。
「Power Barge」の仕様

『Power Barge』の運航想定エリア
-  九州と中国地方間の海上電力輸送



蓄電池による海上送電事業の位置付け
 電気運搬船「Power Ark」とバージ船「Power Barge」は、日本の電力市場における脱炭素化の進展に寄与し、エネルギー供給の柔軟性と安定性を高める新しい調整力をもたらします。我が国においては、環境対策として段階的に火力発電所を廃止する計画が進められており、一方で、2030年までに太陽光や風力などの再生可能エネルギー源が全電源の30%以上を占めると予測されています。加えて、原子力発電所の再稼働が進む中、再生可能エネルギー由来の電力の過剰供給による出力抑制の回数が、九州や中国地方を中心に今後さらに増加する見込みです。

 これらの課題を解決するには、電力需要地と再生可能エネルギーが豊富な地域間の系統接続を強化することが不可欠ですが、地域間連系線の整備には莫大な費用と時間が必要であり、効率的な投資が求められます。 この状況に対して、海上パワーグリッドが提案する海上送電ソリューションは、船やバージを使用して機動的に系統を補完する新しい送電手段となります。船が港に停泊中も、系統の調整力として活用することができ、電力供給の柔軟性と安定性が向上します。さらに、日本の先進的な造船技術を活かして、必要な送電能力と調整力を迅速かつコスト効率良く提供することができるため、総合的な電力インフラの改善に寄与します。

電気運搬船の初号船の進捗について
 海上パワーグリッドは、Power Ark 100の初号船「X」の完成に向けて、船の詳細仕様書の作成に取り組んでおり、今夏に完了する見込みです。詳細仕様書が完了後、2025年中に建造を開始し、2026年内の竣工を目指しています。


株式会社海上パワーグリッド
会社名:株式会社海上パワーグリッド(Ocean Power Grid, Inc.)
設立:2024 年 2 月 9 日
代表:代表取締役 伊藤 正裕
資本金(資本準備金含む):10百万円
事業内容:電気運搬船の開発、販売電気運搬船を用いた海上電力輸送、電力販売船舶用蓄電池の販売
所在地:東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウンタワー 43階
ウェブサイト:https://oceanpowergrid.jp/
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