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「映画通じ美作の魅力 全国に」 「風の奏―」出演 高梁出身たける

「撮影期間中、他の仕事で東京と行き来する際は地元ボランティアが駅まで送迎してくれた。温かい対応でうれしかった」と話すたける
「撮影期間中、他の仕事で東京と行き来する際は地元ボランティアが駅まで送迎してくれた。温かい対応でうれしかった」と話すたける
映画には地域活性化に励む藤井役で出演した。右は兄役の山村隆太((C)2024「風の奏の君へ」製作委員会)
映画には地域活性化に励む藤井役で出演した。右は兄役の山村隆太((C)2024「風の奏の君へ」製作委員会)
映画「風の奏の君へ」の一場面。ヒロイン役の松下奈緒(右)と彼女に思いを寄せる弟役の杉野遥亮((C)2024「風の奏の君へ」製作委員会)
映画「風の奏の君へ」の一場面。ヒロイン役の松下奈緒(右)と彼女に思いを寄せる弟役の杉野遥亮((C)2024「風の奏の君へ」製作委員会)
 岡山県内有数の茶どころ・美作地域が舞台の映画「風の奏(かなで)の君へ」が6月7日に全国公開される。美作市在住の作家あさのあつこの小説を原案に、同市出身で映画監督の大谷健太郎が監督・脚本を担当。出演したお笑いコンビ・東京ホテイソンのたける(29)=高梁市出身=は「すてきな作品に出させてもらった。僕の名演技?も見どころで、全国の方に岡山、美作の魅力を知ってほしい」とアピールする。

 ピアニストの里香(松下奈緒)と、元恋人で家業の茶葉屋を継いだ淳也(山村隆太)、浪人生の渓哉(杉野遥亮)の兄弟の間で揺れ動く心模様を描いた恋物語。大谷監督が「美作の小説と映画を全国に!」と、あさのの小説「透き通った風が吹いて」(2015年刊)をモチーフに手がけた。

 たけるは、淳也の友人の医師で地域活性化に取り組む商工団体メンバーの藤井役を演じた。「地元を盛り上げようと熱い思いを持つ人物。岡山の良さを全国に伝えたいと思っている自分にぴったり」。備中神楽のお笑いネタが製作陣の目に留まり、岡山弁が自然と話せる点もオファーのあったポイントという。

 茶をPRしようと淳也が提案した、香りや味で各産地をきき当てる「茶香服(ちゃかぶき)」のイベントの司会を務めた藤井。ヒロインを巡り兄弟が勝負する重要なシーンで、撮影スタッフからは芸人としての“場慣れ感”を抑えた演技を求められた。「緊張しつつも意気込んだ様子をうまく表現できたと思う」。役作りの参考は、幼少の頃に通った地元・高梁市成羽地区の土曜夜市を盛り上げていた「市役所の本庁の人」からイメージした。

 スクリーンには「燃えるような緑」の茶畑をはじめ豊かな自然が映し出され、「県北の自然の美、おいしそうなお茶、優しい人々など地域の魅力が存分につまった映画。きっと岡山の魅力が全国に伝わるはず」。

 ショーゴ(30)=東京都出身=とコンビを組み結成10年。映画出演は3作目となり、朝のテレビ番組で曜日レギュラーを担当するなどマルチに活躍の幅を広げる。「自分に限界をつくらず、何事にも挑戦したい。日曜劇場や大河ドラマから声がかからないかなぁ」と語り、“本職”のお笑いでも漫才コンクール「M―1グランプリ」王者を念頭に「(津山市出身の)ウエストランドも優勝した。僕たちも上位を狙う」。節目の年に一層の飛躍を期した。

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 映画「風の奏の君へ」はイオンシネマ岡山、MOVIX倉敷などで上映。

 映画「風の奏の君へ」 ロケは2022年4、5月に美作、津山の両市で全て行われ、美作市海田地区の茶畑や林野高、鶴山公園などが登場する。ヒロイン役の松下奈緒はピアノの演奏シーンが迫真的で、男性4人組人気バンド「flumpool」ボーカルの山村隆太、NHK大河ドラマ「どうする家康」で榊原康政役の杉野遥亮のほか、兄弟の祖母役の池上季実子らが出演。エキストラを含め地域のボランティア400人以上が撮影に協力した。

(2024年04月17日 19時04分 更新)

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