【ファジアカ生 参加企画】6連勝中の千葉と対戦 ファジは焦らずに戦うことが大切

【ファジアカ生 参加企画】6連勝中の千葉と対戦 ファジは焦らずに戦うことが大切
 前節、磐田に逆転勝ちし7位に浮上したサッカーJ2ファジアーノ岡山は10月1日、ホーム・シティライトスタジアム(岡山市)で、6連勝と絶好調の千葉(5位)を迎え撃ちます。クラブ主催の「ファジアーノ岡山 アナリティクスアカデミア」(愛称・ファジアカ)で分析を学んだ2期生で、現役大学生プレーヤーの井手下颯真さんと宮内智也さんが、千葉の得点パターンなど好調の理由を分析。ファジホーム戦での注目ポイントを解説します。

⚽相性があまりよくない千葉


 千葉は1992年、Jリーグが発足した時に加盟していたいわゆる「オリジナル10」だ。言わずと知れた名門クラブだったが、2010年にJ2に降格して以降、J1昇格を果たしていない。今季の前半は下位に沈んでいたが、徐々に成績を上げてPO圏内に突入した。

 特に8月中旬から絶好調だ。小森飛絢選手(背番号41)、ドゥドゥ選手(背番号77)、呉屋大翔選手(背番号9)、風間宏矢選手(背番号8)という強力な前線で打ち合いを制した藤枝戦(8月19日)から6連勝中。終盤戦の良い流れを、チームの悲願達成につなげるため、7連勝を狙ってアウェーの地・岡山に乗り込んでくるのは間違いないだろう。

 サポーターのみなさんはよくご存じだろうが、千葉とはあまり相性が良くない。昨季は、アウェー(2022年5月8日)ではロスタイムで失点し、0-1で敗戦。ホーム(同7月30日)は先制するも追いつかれて、引き分けだった。今季は、先制されるも鈴木喜丈選手(背番号43)のゴールで追いつき、引き分けとなっている。通算成績では7勝6分け14敗。直近5試合では0勝2分け3敗と白星からも遠ざかっている。しかし、ここで勝ち切ればJ1昇格プレーオフ圏がより近づいてくる。3シーズンぶりに、ホームCスタで千葉に勝利したい。

⚽先制されてもチャンスは来る


 千葉の攻撃で注目すべき点は、前線の選手の駆け引きだ。特に、精度の高いロングフィードからの抜け出しや、サイドでのドゥドゥ選手の相手との駆け引きは、一気にゴールに迫ることができる大きな武器になっている。また、前向きでのボール奪取からのカウンターを得意としており、ファジアーノの守備網をいかにかいくぐれるかが、試合の勝敗を分ける鍵となるだろう。前節仙台戦は美しい崩しや、ロングスローからゴールが生まれている。さまざまな手でゴールに迫るプレーにも注目したい。また、MFの米倉恒貴選手(背番号11)は、今季5得点すべてを試合終盤に決める勝負強さを見せる選手として要注意だ。

 ディフェンス面では4-4-2の千葉は、中盤での前向きな守備やカウンター狙いのリトリートの守備が目立つ。リトリートの守備とは、相手にボールを奪われた際、すぐに自陣に戻り、守備ブロックを形成する戦術のことだ。実際に、前向きのボール奪取からショートカウンターで点を取ってきているため、自信になっているのではないかと思う。選手目線からすると、一つうまくいった時の守備は継続しやすい。そのためこのスタイルで得点した時のイメージで、中盤は守備をしてくるだろう。

 6連勝中の試合をみてみると、いずれのゲームも前半後半ともに終盤(35〜45、80〜90分の間)に失点していた。逆に失点していない試合では、ゲーム終盤で得点し勝っていた。カウンター狙いのリトリートの守備は、点を取っている時に見られた。具体的な試合で言えば、第31節の藤枝戦(8月19日)、第32節の磐田戦(8月26日)のいずれも前半に3得点したが、後半はカウンター狙いのリトリートの守備をして、いずれも2失点していた。

 つまり二つのことが言えるだろう。

 ・ファジアーノは先制されても焦らずに戦えばチャンスが来る
 ・一つ飛ばしたパスを使うなど前向きに守備させない

 ファジアーノはチャンスを決め切るチアゴアウベス選手(背番号7)とサッカーIQの高いパスで試合をコントロールする輪笠祐士選手(背番号6)の活躍に期待したい。相手は6連勝と流れに乗ってきているので点を奪われるかもしれないが、前節の磐田戦のように焦らずに戦えば先制されても逆転できるはずだ。

⚽大学生たちに「強いファジ」見せてほしい


 前節、千葉のホーム・フクダ電子アリーナ(フクアリ)には今季最多の1万3686人が来場。サポーターの力がチームを勢いづけている。きっと多くのサポーターが岡山にも駆け付けるだろう。サポーター同士の熱い戦いとなることも必至だ。

 ファジアーノは「子どもたちに夢を!」を理念として掲げており、岡山県内の小学生以下から大学生までの若い世代を無料で試合に招待している。今回の千葉戦は大学生、大学院生、専門学生の無料招待があるため、シティライトスタジアムの近くにある岡山大学、岡山理科大学、岡山商科大学、就実大学などの多くの大学生、専門学生の来場が予想される。日頃サッカーに関わっている方はもちろん、普段サッカーに関わりがない方にも、両チームともに好調で迎えるこのホームゲームはぜひスタジアムの熱い盛り上がりを味わっていただきたい。そして、ファジアーノを通じて交流の輪を広げていただきたい。

 ファジアーノの試合に初めて来られる方も多いと思う。そのような方々に岡山のサッカーチーム「ファジアーノ岡山は強い」と認知されるような試合になることを期待したい。(井手下颯真、宮内智也)

・参考
Club.J.LEAGUE、J.LEAGUE Date Site、ファジアーノ岡山HP、ジェフユナイテッド千葉HP、Jリーグ公式HP

〇筆者紹介
井手下さん(左)と宮内さん
井手下さん(左)と宮内さん

井手下颯真さん ファジアカ2期生。岡山理科大学サッカー部に所属しています。身長が低い自分が大学でサッカーを続けることでファジアーノの理念と同じ(小さい)「子どもたちに夢を」与えられる存在になりたいと思い、頑張っています。ファジアーノのファミリーの皆さん、岡山理科大学サッカー部の試合も是非見に来てください!

宮内智也さん ファジアカ2期生。岡山理科大学サッカー部に所属。ファジアカを通してファジアーノを知りました。今ではホームゲームに通い、ファン目線とプレーヤー目線から試合を観戦しています。

〇ファジアーノ岡山フットボール本部アドバイザー・ファジアカ講師 久永啓
久永啓さん
久永啓さん

 見方を知ればサッカーはもっと楽しめる!

 サッカーを見るときに何に着目するかは人それぞれです。そこに唯一の正解や優劣はありません。一人ひとりの経験や知識、関心によって視点は変わります。その違いを楽しみ、学び合い、より広く深くサッカーを見る力を養っていくのがファジアカです。

 今回は、選手としての自身のプレーに置き換えて分析することが得意な井手下さんと、戦術用語を自分の言葉でかみ砕いて説明することに長けている宮内さんとのペアです。「選手の視線から見える景色を想像してみよう!」「実際の試合ではこんな気持ちになりそうだよね!」と、現役サッカー選手としてプレーしている者同士だからこそ持てる視点を取り入れて分析してくれたのではないかと思います。同じサッカー部で活動する大学生選手2名による千葉戦の見どころです。

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順位 チーム 勝点 試合数 得失差
1 清水エスパルス 37 16 15
2 V・ファーレン長崎 33 16 17
3 ベガルタ仙台 29 16 5
4 横浜FC 28 16 13
5 レノファ山口FC 27 16 9
6 ファジアーノ岡山 27 16 7
7 いわきFC 26 16 12
8 ジェフユナイテッド千葉 24 16 16
9 ヴァンフォーレ甲府 22 16 3
10 ブラウブリッツ秋田 22 16 2
11 大分トリニータ 22 16 1
12 愛媛FC 21 16 -4
13 藤枝MYFC 20 16 -10
14 水戸ホーリーホック 18 16 -2
15 徳島ヴォルティス 18 16 -10
16 モンテディオ山形 17 16 -6
17 ロアッソ熊本 17 16 -10
18 鹿児島ユナイテッドFC 13 16 -17
19 栃木SC 12 16 -21
20 ザスパ群馬 6 16 -20

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