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久野遥子監督×山下敦弘監督×森山未來、日仏合作アニメーション『化け猫あんずちゃん』カンヌでワールドプレミア決定

久野遥子監督×山下敦弘監督×森山未來『化け猫あんずちゃん』カンヌ国際映画祭「監督週間」選出、ワールドプレミア決定 (C)いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会
久野遥子監督×山下敦弘監督×森山未來『化け猫あんずちゃん』カンヌ国際映画祭「監督週間」選出、ワールドプレミア決定 (C)いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会
 アニメ界の新星・久野遥子と日本映画界の名手・山下敦弘がダブル監督を務め、俳優の森山未來が声と動きを担当した日仏合作アニメーション映画『化け猫あんずちゃん』(7月19日公開)が、フランスで開催される「第77回カンヌ国際映画祭」(現地時間:5月14〜25日)の「監督週間」に選出され、公式上映されることが決定した。久野&山下両監督とも初のカンヌ国際映画祭への参加となる。

【画像】久野遥子監督、山下敦弘監督、森山未來の直筆コメント

 久野監督は、23歳の時に『花とアリス殺人事件』(2015年)のロトスコープディレクターに抜てきされ、アニメーション・漫画・イラスト各方面から注目を集める気鋭のクリエイター。山下監督は、『リンダリンダリンダ』(05年)や『カラオケ行こ!』(24年)などさまざまな作品を手がけてきた。

 『化け猫あんずちゃん』は、子猫の時に拾われ、10年たっても20年たっても死なず、気が付けば30年以上生きて人の言葉もしゃべれるようになっていた化け猫のあんずを主人公にした、いましろたかし氏による同名漫画が原作。実写映像を元にアニメに描き起こすロトスコープの手法を用いた制作方法でも注目を集めている。

 アニメーション制作は『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』で知られ、『窓ぎわのトットちゃん』など繊細な芝居を得意とするスタジオ「シンエイ動画」と、カンヌ国際映画祭やアヌシー国際映画祭で数々の賞を受賞し、新進気鋭のフランスのスタジオ「MIYUプロダクション」が長編として初の日仏共同にてアニメーションを制作。シンエイ動画がキャラクターの動きを描き、MIYUプロダクションが背景美術と色彩を担った。

 カンヌ映画祭に併設されている部門である「監督週間」は、作家性を重視した作品が選出され、世界で活躍する映画監督の登竜門として知られる注目度の非常に高い部門。今年のポスターは北野武描き下ろしのイラストが使用されることも話題だ。

 過去にはソフィア・コッポラ、スパイク・リーやアキ・カウリスマキ、日本人では大島渚、北野武、西川美和らが選出されたことがあり、日本の長編アニメーション作品としては高畑勲監督の『かぐや姫の物語』、細田守監督の『未来のミライ』に続く6年ぶりの選出となる。本日行われたラインナップ発表会見では「こども、若者、大人、全ての人に向けられた作品で、詩的であり不思議な生き物が登場する作品」と紹介された。

 久野監督は「まさかあんずちゃんがカンヌに連れて行ってくれる化け猫だったとは…!とても手作りで手探りな映画に関わってくださった方々に素敵な報告が出来てとても嬉しいです!」。山下監督は「いましろたかしが原作で、いまおかしんじの脚本で、『山田孝之のカンヌ映画祭』というカンヌに怒られそうな番組を作った俺が関わっているのに、なかなかカンヌも懐が深いです」と喜びのコメント。そしてあんずちゃんの声と動きを担当した森山も「おめでとうございます。」と直筆のメッセージを寄せた。

■久野遥子監督のコメント(全文)

 まさかあんずちゃんがカンヌに連れて行ってくれる化け猫だったとは…!この1年半、日仏のスタッフでこつこつアニメーションを作ってきましたが、こんな形でスポットがあたるとは微塵も思っていなかったので本当に驚きました。とても手作りで手探りな映画に関わってくださった方々に素敵な報告が出来てとても嬉しいです!そしてこんなに楽しいアニメーションに、私と山下監督を誘ってくださった近藤プロデューサーにはカンヌでデカい肉を奢らせてくださいね。

■山下敦弘監督のコメント(全文)

 『化け猫あんずちゃん』がカンヌ国際映画祭の監督週間に選出…、まず初めに何かの冗談かと思いました。いましろたかしが原作で、いまおかしんじの脚本で、『山田孝之のカンヌ映画祭』というカンヌに怒られそうな番組を作った俺が関わっているのに、なかなかカンヌも懐が深いです。これも一重にアニメーション監督の久野遥子さんの頑張りのおかげなのだと思います。なのでカンヌで久野さんに海鮮を奢りたいと思います。とりあえず行ってきます。

■森山未來のコメント(全文)

山下さん 久野さん
おめでとうございます。
今度カツ丼おごってください。

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(2024年04月16日 22時40分 更新)

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