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“ひとりぼっち”の野良猫、追われ、放置され…それでも「人間大好き」な猫たちのビフォーアフターに涙

「ねこけん」が保護した2匹の野良猫は人間が大好きだった(写真:ねこけんブログより)
「ねこけん」が保護した2匹の野良猫は人間が大好きだった(写真:ねこけんブログより)
 安住の地がないまま、ひとりぼっちで過酷な環境で暮らしていることが多い野良猫。NPO法人『ねこけん』では、そんな弱った猫たちを保護する機会も多い。ボランティアメンバーの献身的なケアにより、どんどん元気になっていった猫たちのビフォーアフターを紹介。外で生きづらかった猫たちが手に入れた幸せとは。

【写真】「まるで別猫!」まさに激甘な変貌ぶり、ひとりぼっちの岩ちゃんがやっと甘えられた…涙

■ひとりぼっち生活から思う存分甘えられる場所を見つけた

 「普通、野良猫は他の猫を嫌いにはならないんです。そうじゃないと、外では生きていけないから。なので岩ちゃんは、きっと元飼い猫だったのでしょう。猫が嫌いで、人間が好きなんです」

 そう話すのは『ねこけん』代表理事・溝上奈緒子氏。『ねこけん』が協力し、愛媛で行われているTNR(捕獲・不妊去勢・戻す)に連れてこられた岩ちゃん(がんちゃん)は、外で暮らしていたものの、あちこちで追い出され、人間には叩かれて転々としていた。

 安住の地がないまま、うろうろ逃げ回りながら生活していたが、人懐っこいがゆえに、人間に近寄っていってしまう。しかし岩ちゃんは野良猫で汚かったため、棒で叩かれたり追い回されたり、人間には終われ猫とは仲良くできず、一人寂しく暮らしていた。

 耳の先は裂け、歯は抜けてほとんどない…そんな岩ちゃんを愛媛の保護団体『愛・キャット(・はハート)』の代表が見過ごせず、保護。

 病院でシャンプーすると、元野良猫とは思えないくらいきれになり、可愛さが炸裂したという。もともと人間好きなため、甘えっぷりはハンパなく、人の手に顔を摺り寄せ、気持ちよさそうに目をつぶる姿はとても健気だった。

 あちこちを逃げ回りながら、本当は甘えたかった岩ちゃん。たとえ人間に叩かれ追い払われてもそばに行ってしまうのは、こんな風に撫でてほしかったから。ひとりぼっちの生活から、やっと思う存分人間に甘えられる場所を見つけることができた。

 そしてもう一匹も人間が大好きな老猫。愛媛での保護から1ヵ月経ち、『ねこけん』のブログにアップされた写真は1枚だけ。「人が大好きすぎて、近づきすぎて写真が撮れない!」と、愛らしい理由からだった。

 保護した際は1.8キロしかなくガリガリに痩せこけた老猫。カリシウイルスに感染していて、口や歯の状態が悪化し、ヨダレやにおいもひどく、体中ガビガビ。汚れて固まった毛を丸刈りにすると、バリカンは1つ壊れてしまうほどだったという。

 「もともと、山の中に住む90代のおじいさんがゴハンをあげていて、そこで増えてしまった猫のようです。でもその人が亡くなり、身内の方が山まで世話をしに行っていたと。そこには15匹もの猫がいるのですが、山には本来、猫はいないはず。餌やりをしていて増やし、多頭飼育崩壊に近い状態になっていたのではないかと思います」

 手術後はリリース予定だったが、高齢でガリガリ、病気もある状態では元の場所で生きていけるとは思えない。譲渡向きではないため、保護することに。愛媛の保護場所が満室のため、東京に連れて帰ることになったという。

 今では体重3キロくらいに増え、顔は少しふっくらしたという。「山で育ったせいか、トイレがうまくできなかったり、アレルギーで皮膚がかさぶたになっていたりもしますが、少しでも元気に安心して暮らしてほしいです」と溝上氏。

 すごく人に慣れた、人間が好きな猫。しかし可愛がるだけでは猫を幸せにすることはできない。動物を飼ったり、ゴハンをあげたりする人は、その後のことも考えて飼育をしてほしい。

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(2024年03月28日 16時10分 更新)

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