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細密な意匠 日本刀のつばに焦点 備前長船刀剣博物館で企画展

細密な意匠のつばに見入る来館者
細密な意匠のつばに見入る来館者
 刀身だけじゃありません―。日本刀のつばに光を当てた企画展「鐔(つば)の世界」が、瀬戸内市長船町長船の備前長船刀剣博物館で開かれている。職人技がさえる多彩な形やデザインの作品に来館者が見入っている。4月21日まで。

 刀鍛冶らが作っていた室町初期、専門にする「鐔工」が現れた安土・桃山、戦がなくなり見栄えが重視されていった江戸から、現代に至るまでの約110点を展示。花や虫、今年のえと・辰(たつ)(竜)など絵柄は多岐にわたり、透かし彫りを施した「透鐔(すかしつば)」も多い。

 つばの下半分に明智光秀の軍勢と戦う織田信長、上半分に家臣から報告を受ける光秀を配置した本能寺の変の意匠は奇抜で豪華。津山市出身の金工家・正阿弥勝義(1832~1908年)が手がけた富士山は、図柄の細密さに思わず目が留まる。

 同博物館は「つばは刀剣を構成する重要なパーツで、当時の世相や風俗が色濃く反映されている。職人の技巧の高さとともに時代の移り変わりを感じてもらいたい」としている。

 月曜休館。問い合わせは備前長船刀剣博物館(0869―66―7767)。

(2024年03月22日 10時11分 更新)

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