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手術なし性別変更 臼井さん婚姻届 新庄村役場にパートナーと提出

新庄村役場の窓口に婚姻届を提出する臼井崇来人さん(左)と幸さん
新庄村役場の窓口に婚姻届を提出する臼井崇来人さん(左)と幸さん
 岡山家裁津山支部で2月、性別適合手術を受けずに女性から男性への性別変更が認められたトランスジェンダーの臼井崇来人(たかきーと)さん(50)=岡山県新庄村=が15日、パートナーの幸(みゆき)さん(46)とともに婚姻届を新庄村役場に提出し受理された。8年前に提出した際は戸籍が女性同士との理由で受理されなかっただけに「長年の夢がかない、大きな幸せをかみしめている」と結婚の喜びを語った。

 2人は午前11時半ごろ、新庄村役場を訪れ、窓口で婚姻届を提出。併せて臼井さんと、幸さんの長男(14)との養子縁組の手続きも進めた。職員から祝福の言葉をかけられると「ありがとうございます」と口をそろえ、互いに顔を見合わせてほほ笑んだ。

 手続き後は報道陣に対応。臼井さんは「困難を乗り越えれば、いい未来が待っている。家族で手を取り合い、楽しい人生を送りたい」と目を細め、幸さんは「やっとみんな『臼井』なんだと思うとうれしい。家族として受け入れてきてくれた新庄村には感謝しかないし、裁判を闘ってきた崇来人を尊敬している」と笑顔を見せた。

 2人は2016年にも婚姻届を岡山市役所に提出したが、不受理とされた。臼井さんは同年、戸籍上の性別変更を裁判所に申し立てたものの、生殖能力をなくす性別適合手術を事実上求める性同一性障害特例法の規定(手術要件)を理由に退けられた。

 最高裁は別の申立人の審判で昨年10月、手術要件を違憲で無効と判断。臼井さんは改めて性別変更の申し立てを行い、津山支部が2月7日、最高裁判断を踏まえて変更を認める決定を出し、同9日付で変更された。

(2024年03月15日 11時52分 更新)

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