手応え、悔しさ、湧き上がる希望…。さまざまな思いを重ねながら、2023年が暮れていきます。「J2の頂へ」とファジアーノ岡山が初めてリーグ優勝を掲げて戦った今季。何度もかみ締めた悔しさの先に、新しい24年シーズンが待っています。(飯田陽久)
ファジアーノがJリーグに初参戦した09年から数えて15年目のシーズン。開幕戦(2月18日)から最終戦(11月12日)まで全42試合の象徴的シーンを画像にまとめました。
アウェーで強豪・磐田を3-2で撃破した開幕戦、続くホーム初戦は1万5695人の大観衆で埋まったシティライトスタジアムで清水と互角に渡り合いドロー。幸先良いスタートでした。しかし、その後はクラブ最多19の引き分けが示すように勝ち切れない試合が多く、プレーオフ(PO)進出も逃す10位。勝負どころで粘れず、勝敗に直結するゴール前の攻防に課題を残すシーズンでした。
42試合の写真を1カットずつ眺めていると、勝ち負けとは別に、その時々の興奮がよみがえってきます。
足首骨折から13試合ぶりとなる復帰戦、土壇場で体を投げ出して同点ゴールを奪った「木村太哉、魂のダイビングヘッド」(第25節、徳島戦)。後半ロスタイムに値千金の決勝ゴールを蹴り込み、サポーターの元に駆け寄って喜びを分かち合った「福元友哉のJ初ゴール」(第27節、熊本戦)。終了間際にCKからのこぼれ球を押し込み、5カ月ぶりにPO圏に浮上し歓喜の雄たけびを上げた「ムークの叫び」(第34節、仙台戦)。選手一人ひとりのドラマが頭をよぎり、熱い思いが再びこみ上げてきます。オフの積極補強によって、24年はどんな新しいチームに生まれ変わるのか、今から楽しみですね。
FAGIGATEでは、今年1月18日の創刊から毎日欠かさず新しい記事を公開してきました。総計840本。これもひとえに、取材に応じてくださったファジアーノクラブのフロント、監督、選手、ファン・サポーターらの協力があればこそ、愛読者をはじめ多くの方々に支えていただいたおかげです。本当にありがとうございました。
創刊以来、私たちの背中を押してくれているのが読者との繋(つな)がりです。
「ファジアーノは息子に夢を持たせてくれました。スポーツを一切見なかった妻や娘も私に負けないほど応援しています。わが家に喜びや悔しさを心から分かち合う時間をつくってくれました。FAGIGATEはそれをさらに広く、深くしてくれました」
「苦しい時、ネガティブになってしまう私たちサポーターの心をポジティブにさせてくれ、うれしい時は喜びが倍増するような言葉や写真を見て楽しんでいます」
「うれしい時も苦しい時もこれからもずっと選手、サポーターに寄り添ったサイトであってくれるとうれしいです」
このような温かいメッセージを頂きました。ファジアーノと応援する人たちを繋ぐ役割を担うことができるなら、これほどうれしいことはありません。FAGIGATEで今年生まれた繋がりを、2年目以降もっと太くしていきたいと思っています。
大みそか、一年の終わりと始まりを告げる除夜の鐘が鳴り、いよいよ24年の幕開けです。新しい年が、心躍る、素晴らしい年になりますように!
※1月1~3日は新春特別編として「木村正明の未来に向かって」を3回続きでお届けします。