『ファジ友』の宮崎版です! 宮崎まで車で来られている小林さんにお話を伺わせてもらいました。サッカーにハマるキッカケや理由は人それぞれだと思いますけど、小林さんのキッカケは少し独特で、理由はとてもすてきです。(寺田弘幸)
――宮崎まで車で来られているんですね!
はい、車で来ました。去年も息子と一緒に車で来て鹿島アントラーズとのトレーニングマッチを見たんです。親が巨人が好きなので宮崎キャンプにはこれまで何回か来たことがあるんですけど、まさかサッカーを見に来るようになるとは思いませんでした。
――サッカーに興味を持つようになったキッカケはどんなことだったんですか?
2022年のホームのヴェルディ戦を見た時のこと。太哉君が左サイドで“こちょこちょ”として、太哉君からムークさん、雄大君とつながってゴールが決まった時に。あの“こちょこちょ”を見て、何アレ! ってなってサッカーを好きになったんです。
野球ってけっこう個人戦なところがあるじゃないですか。チームが負けても個人の成績を残せば評価されますけど、サッカーって超チームプレーで、そこがいいなとも思ったんです。太哉君が“こちょこちょ”としたのは何も数字に残らないですけど、私はすごく印象に残りました。それで調べてみたら太哉君はすごく人気のある選手で、ああやってチームのために全力で戦える選手だった。ファジアーノ岡山も全員で全力で戦うチームだったんで、そういうところがすごくいいなと思ったんです。
――それからハマったんですね。
だからまだ2年くらいなんですけど、2年間で政田の練習を休んだのは2回だけです。
――えっ!
政田のことは私に任せてください(笑)。でも、私が言ったことは意外と当たるんですよ。「永井さんすごくいいのに~。契約満了なんて本当にもったいない」って言っていたら最終節にゴールを決めたし、「トモ君(福元友哉)がすごくいい」って言っていたら熊本の時に決めたり。だから友だちに「予知夢なの?」って言われるんですけど、政田でずっと見ていたらなぜか分かるんですよ。
――すごいです。試合に出ない選手たちも政田で本当に頑張ってますもんね。
そうなんです。みんながほぼ同じような練習をしていますし、私の目には一人ひとりにそんなに差がないように見えるんですけど、選手の皆さんはいろいろと考えながらアピールしているんだと思いますし、チームの勝利っていう同じ目標に向かっている。サッカーが世界で愛されている理由が少し分かったような気がします。私はファジアーノに出合えて良かったですし、ファジアーノだからサッカーが愛されている理由が分かったんじゃないかなと思います。
――これまでサッカーと触れ合う機会はあまりなかったんですか?
意外とあるんですよ。1998年のフランスワールドカップを新婚旅行で見に行って、日本とクロアチアの試合をスタジアムで見ているんです。あと、93年にJリーグが誕生した時は東京にいたので、ヴェルディとマリノスの試合を国立競技場に見に行きました。
――すごい! 日本サッカーの歴史的な瞬間に居合わせていますね。
それなのにサッカーにはハマらなかったんですけど、太哉君でハマったんです(笑)。サッカーにのめり込むキッカケをくれて太哉君には本当に感謝しています。
――木村選手のどんなところが魅力的ですか?
ゲート10で勝利のダンスをしたり、いつも試合前に大きい声を出して鼓舞したりして、チームを盛り上げてくれる。そういうところが好きです。この2年間は自分自身はケガをして苦しい時期を過ごしているのにいつもチームを盛り上げようとしてくれるし、私は彼の強みは仲間を信じているところだと思うんです。
去年に櫻川選手がカッとなって相手とやり合おうとした時に、太哉君はスッと近づいていって止めたりするんですね。そういうところはすごくいいところだと思うし、バイスさんがすごくしょげていた時に、太哉君がそっと肩に手に置いてあげたこともあったんです。彼が好かれる理由って、ただ元気なだけじゃない。どんな時でも熱くて強いからだと思うし、どんな時でも仲間を信じられる強さや優しさがあるからなんだと思います。
――おっしゃっていること、すごくよく分かります。このキャンプでも木村選手はすごく頑張っていますね。では、最後に今年のファジアーノに期待することを聞かせてください。
新しい選手もたくさん入ってきて、特にベテランの選手も多く入ってきて、またポジション争いも激しくなっていくと思うんですけど、そういう中でも全員で全力で練習からやって成長していってほしいです。それが勝ちにつながればすごくうれしい。
上を目指すのはもちろんです。J1を目指して戦っていってほしいですけど、まずはみんなで競い合って高め合っていってほしい。政田でそういう選手たちの姿を見ていて私もすごく元気をもらえるんです。