J2ファジアーノ岡山は新スタジアム整備の動きの一環で、岡山市の町内会向け説明会をスタートさせています。クラブでスタジアム推進担当を担う渡辺健司・運営部長に聞きました。(亀井良平)
――新スタジアムについて岡山市内の町内会向けの説明会をクラブとしてスタートさせたと聞いています。どのような動きをしているのでしょうか?
各町内会への説明は5月からさせていただいています。その前に、岡山市連合町内会に3月中旬、理事約40名に対して説明をさせてもらいました。そして、5月に伊島学区の連合町内会長さんにクラブスタッフがお伺いして話をさせていただきました。その次に津島や御野地区といった他の町内会長さんにも説明し、5月初旬から中旬まで、町内会を仕切られている方々にスタジアムの現状をお伝えさせていただきました。
町内会の総会で時間をいただき、大人数の前で説明をしています。5月中旬は御野学区で25人ほどの前で約15分お時間をいただきました。説明をして、質問を受け付ける形です。岡山市の婦人会でも6月初旬に説明、質問の機会を設けていただきました。一人でも多くの方にわれわれの考え方を伝える機会は非常に重要だと思っています。
――どのような目的で町内会にアプローチしているのでしょうか?
選挙の票集めではないですが、一人でも多くの方に賛同いただく必要があると思っています。実際に政田サッカー場ができたのは28万もの署名があったのが大きかったです。署名は町内会で集めていただいたものがかなりの割合を占めていました。まずは現状のスタジアムがあるシティライトスタジアム(岡山市北区いずみ町)周辺の方々にご理解をいただかないと、というのがあり、スタジアムの周辺に伺っています。岡山市内だけでも95ある全ての町内会にお話できればベストですが、なかなか一気には厳しいです。スタジアム周辺の町内会から広げていく形でやっています。
――今後も地道に町内会を訪ねる活動を続けていくのですね。
そうですね。この前は大元学区に行きました。7月18日は津島の町内会、27日は南方にお伺いさせていただく予定にしています。もともと町内会と関係を持たせていただいているホームタウン担当スタッフがメインで伺い、他のスタッフも訪ねています。
――さまざまな反応があると思います。町内会の参加者からはどのような声が出ているのでしょうか?
最もいただくのは「スタジアムをつくらないとJ1に上がれないのか」です。どの町内会でもご意見をもらいました。他には「スタジアムができたらJ1に上がれるの?」もありました。「経済効果はどのくらいあるの?」という質問も受けました。
もちろん会の後にスタッフのところに来られて「応援します」「署名活動をするのであれば協力するから言ってね」という声ももちろんあります。現状の感覚は賛成をいただいていると思っています。
――スタジアムを建設する場所が決まっていない中、話を進める難しさがあると思いますが、そこはいかがでしょうか?
ここから先の議論にいく際、場所が決まっていない難しさはあると感じているところです。クラブが自前でスタジアムを作った事例はほとんどなく、自治体と地域が協力して作っているので、場所は行政の皆さんや地域の皆さんの望む場所、ということになります。クラブとしては、「皆さんの集まりやすい場所」というのが第一です。町内会の皆さんにお話しするのと並行して、行政の皆さんにも現状をご説明し始めているところです。
――場所はどのように決まっていくものなのでしょうか?
場所の進め方はいろいろなパターンがあります。サンフレッチェ広島はクラブが「ここが良い」と示すパターンでした。広島が意思表示できたのは、そもそもスタジアムの場所が恵まれていなかったからです。お客さんが来場しにくい場所にある中、クラブ経営をするには圧倒的にハンディがあります。
そういう状況下、「場所を変えたい」というのは論理として通じるでしょう。ファジアーノに関しては場所に関しては言いづらい部分があるのが正直なところです。
他には鹿児島ユナイテッド。鹿児島に関してはクラブが示さず、商工会議所が場所を言っています。商工会は繁華街をもう一回盛り上げていきたい、経済を盛り上げる起爆剤にスタジアムを考えていて、中心市街地を活性化させるため、というのが根本でスタートしています。各クラブによって場所の進め方は異なっているのが実情です。