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「ホタルの里」の魅力 パンフに 真庭・北房の保存会が製作

北房ホタル保存会が作成したパンフレットを手にする平城会長
北房ホタル保存会が作成したパンフレットを手にする平城会長
 真庭市北房地域の住民らでつくる北房ホタル保存会(25人)は、ホタルの生息マップや会の歴史をまとめたパンフレットを製作した。地道な調査成果をはじめ、乱獲や災害を乗り越えて生息環境を守ってきた歩みも盛り込んだ。会員たちは「ホタルの里」の魅力を伝え、保護への関心を高めるきっかけになればと願っている。

 カラー8ページ。北房地域に生息するゲンジ、ヘイケ、ヒメボタルなど6種の特徴や、観賞時のマナーなどの情報を網羅している。

 中でも目を引くのが、会員約20人が昨シーズンをかけて調査したゲンジボタルの生息場所マップだ。夜間、光を発して交尾相手を探す繁殖行動を邪魔しないように、川沿いを徒歩で丁寧に調べ上げた。地域を流れる備中川やその支川の約6割、計29・6キロもの区間で生息を確認できた。

 平城元会長(68)=同市=は「ここまでの調査は初めてだろう。ホタルの里とされるゆえんを証明できた」と胸を張る。

 パンフは会の活動50周年を記念して3年がかりで製作。乱獲などで減少したホタルの増殖に取り組んだ「ホタルを育てる会」(1970年発足)に始まり、72年豪雨による絶滅の危機、生息地として有名になった後の「光害」対策といった活動の歴史も紹介する。

 現在の会名に改称した2007年以降も、生態などを学べる「ほくぼうホタル学」の開催や生息数調査など精力的に活動する一方、会員の高齢化や人手不足は活動継続の懸念材料。パンフには、より多くの住民が活動に参加する契機になればとの思いも込めた。

 平城会長は「地域の長年の努力があったからこそ、これだけの生息地になっている。ホタルを気にかけてくれる人をもっと増やしたい」と意気込む。

 千部製作。地元児童らに配布したほか、市北房振興局(同市下呰部)に置いている。今季は、北房ほたる公園(同)周辺では6月10日ごろまでをピークに同月いっぱい、ゲンジボタルを楽しめそうという。

(2023年05月28日 12時31分 更新)

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