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芸備線 利用ニーズなど実態調査へ 再構築協幹事会、岡山で初会合 

芸備線の実態調査をする方向で一致した再構築協議会の幹事会=岡山市北区のTKPガーデンシティ岡山
芸備線の実態調査をする方向で一致した再構築協議会の幹事会=岡山市北区のTKPガーデンシティ岡山
芸備線 利用ニーズなど実態調査へ 再構築協幹事会、岡山で初会合 
 JR芸備線の在り方を議論する再構築協議会の下部組織で、実務者でつくる「幹事会」は16日、岡山市内で初会合を開き、メンバーである岡山、広島両県の沿線4自治体とJR西日本、国土交通省が同線に関する実態調査を行う方向で一致した。詳細は未定だが、沿線住民の利用ニーズや日常の移動手段を想定。ファクト(事実)とデータに基づいて存廃議論を進めるのが狙い。

 初会合では、JR西が芸備線の収支や乗客数、沿線自治体が住民の移動パターンなどのデータをそれぞれ持ち寄ったが、まだ不十分と判断した。想定では、バスやデマンド(予約型乗り合い)交通を含めた公共交通の実態調査、利用者や沿線住民へのヒアリングも実施する方向で合致した。

 調査費の半分は国が負担し、残り半分は沿線4自治体とJR西で賄うことも確認した。調査の詳細は7月に予定している次回幹事会で話し合う。

 芸備線を巡っては、廃線を視野に入れるJR西と、存続を求める沿線自治体の主張が平行線をたどり、調整役の国が3月に初めて開いた再構築協で「客観的なファクトとデータに基づいて議論していく」との方針を示していた。

 この日の幹事会は両県と新見、庄原市で交通政策を担う局部課長、JR西岡山、広島支社の両副支社長、国交省中国運輸局の部長ら約20人が出席し、一部非公開で議論した。

 再構築協は昨年10月に制度化され、全国で初めて設置。鉄道を残すか、バスなどに転換するかを原則3年以内に決める。

 JR芸備線 新見市と広島市を結ぶ159・1キロ。このうち備中神代―備後庄原の68・5キロ区間について再構築協議会で存廃を議論する。同区間の乗客数はJR西管内で最低水準にあり、年8億円超(2017~19年平均)の赤字が発生。乗客の7割は通学客。

(2024年05月16日 21時49分 更新)

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