山陽新聞デジタル|さんデジ

殿様と家来かけ合い 会場に笑い 鏡野・布施神社で「お田植祭」

大きな笑いと拍手が起こった殿様(手前右)と福太郎のかけ合い
大きな笑いと拍手が起こった殿様(手前右)と福太郎のかけ合い
 岡山県鏡野町富西谷の布施神社で5日、300年以上の歴史があるとされる「お田植(たうえ)祭」(県重要無形民俗文化財)が開かれ、五穀豊穣(ほうじょう)を祈るユーモラスな神事が大勢の観客を沸かせた。

 水田に見立てた境内で、氏子らが田植えを再現。獅子練りで清めた後、牛に扮(ふん)した子どもが駆け回る「荒起こし」、男性がきせるで一服しながらあぜを築く「鍬代(くわしろ)」を行い、サカキの葉をちぎってまくことで苗を植える「田植」を表現した。

 見せ場は殿様と家来福太郎のかけ合い。何とか山盛りのご飯を食べさせようと、福太郎が大げさにご飯を扇子や傘であおいだり、殿様の口元に近づけたりするが、殿様は笑いをこらえて口を結んだまま。ようやく口を開けた途端に福太郎自らが食べてしまうと、約100人が詰めかけた会場は大きな笑いと拍手に包まれた。

 町内の帰省先から訪れた尾道市、公務員の女性(34)は「登場人物の動きがコミカルで笑ってしまった。伝統行事として長く続いてほしい」と話していた。

(2024年05月05日 19時27分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ