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会陽「ミニ裸衆」願い託して奉納 西大寺観音院本堂 福男をイメージ

願い事が書かれた笑顔のミニ裸衆(魚眼レンズ使用)
願い事が書かれた笑顔のミニ裸衆(魚眼レンズ使用)
 裸衆の勇壮な祭り「西大寺会陽」の舞台となる西大寺観音院(岡山市東区西大寺中)の本堂に、拳大の「ミニ裸衆」がずらりと並ぶ。「健康」「世界平和」「ダイエット」といった願い事と、成就したときの表情を参拝者が描いた「福男みくじ」の張り子群だ。

 福を呼ぶとされる宝木(しんぎ)をつかみ、両手を突き上げる締め込み姿の福男をイメージした。高さ約5センチ。内部から紙のみくじを取り出した後、男衆の肉弾戦が繰り広げられる「大床」の一角に設けたミニ大床に、祈りを込めて奉納する。1回500円。

 「家族の健康が一番。会陽のパワーを少しでもいただけたら」と話すのは「元気」としたためた会社員の女性(50)=岡山市中区。

 国重要無形民俗文化財の西大寺会陽は2021~23年、新型コロナウイルス禍により500年余の歴史上初めて宝木争奪戦が見送られた。4年ぶりに再開した今年の争奪戦には9千人の裸衆が集結したが、1万2千人超だったピーク時には及ばず、にぎわい復活と伝統の継承を願う坪井綾広住職(48)がみくじを考案した。

 ミニ裸衆の奉納は1月に始まり、現在は120体余り。坪井住職は「目標は張り子1万体。みくじを通して裸祭りに加わり、伝統に親しんでほしい」としている。

(2024年05月02日 20時49分 更新)

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