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「あまろっく」(2024年、日本) 人生に起こることは何でも楽しまな!

 黒じい ゴールデンウイーク(GW)は早くも前半が終わった。楽しい日々は、すぐ過ぎていってしまう。泣きたい。お前さんも良い休みになっているのか。

 よしジン いやいや、今年は予定外のことが3件も加わり、GW前はかなりドタバタ。忙しい毎日だった。その上、孫が帰ってくるとあって、最大の懸案・家の掃除に追われ、完全な睡眠不足に陥った。が、例年の騒動を何とかしのぐことができた(はず)。少し安堵(あんど)しているところだ。

 黒じい 「人生に起こることは何でも楽しまな!」。これを人生訓にした町工場のおやじを笑福亭鶴瓶が演じる作品が公開されている。

 よしジン 兵庫県尼崎市を舞台にした「あまろっく」だな。出演者を関西出身者で、ずらりと固めたのが“売り”。

 黒じい 鉄工所を経営する近松竜太郎(鶴瓶)は、ニート状態を続ける39歳で独身の娘・優子(江口のりこ)と暮らす。

 よしジン 工場の仕事はそっちのけで、近所の人らと話し込むばかり。家では阪神タイガースのテレビ中継を見て、勝った・負けたと大騒ぎ。家事は全く手伝わず、「俺はわが家の尼ロックやで」と言い張る竜太郎が、優子は子どものころから大嫌いだった。

 黒じい 「尼ロック」とは市内の3分の1が海抜ゼロメートル地帯といわれる尼崎市南部の治水・高潮対策と臨海部の船舶利用を両立させるため、1955年に国内最初のパナマ運河方式の閘門(こうもん)として国が建設。前後の扉を開閉して水位を調整し、500総トンクラスの船が往来できる大型港湾施設を指す。閘門は英語でロックゲート。尼ロックの愛称で呼ばれ、市民の安全な生活を守っている。

 よしジン 能天気な父のようになりたくない、と優子は小学校時代から勉強などに全力投球。京都大を卒業し、東京の大手コンサルタント会社に就職したエリート社員だった。だが、職場でのコミュニケーションがないなどの理不尽な理由でリストラに遭い、尼崎へ戻ってくる。

 黒じい 毎日が家でのスエット姿。することもなく、ダラダラと過ごす。同級生の鮎川太一(駿河太郎)が阪神尼崎駅近くで営むトラック屋台のおでん屋「たいちゃん」で、酒を飲む生活の繰り返しだ。

 よしジン そんなある日、65歳の竜太郎が20歳の早希(中条あやみ)との再婚を宣言。早速、家に連れてくる。...
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(2024年04月30日 11時30分 更新)

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