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岡山県立高入試 内申点の影響は? 合格の必須条件、中1から備えを

 高校入試を控えた中学生と保護者にとって、気になる「内申点」。高校を選ぶにあたり、中学校でどんな評定がされているか、入試にどう影響するのか心配な人も多いだろう。岡山県立高校入試では中3の1年間だけでなく、中1からの継続した頑張りや成績を基に算出され、合否に影響する割合も高い。「中3になってからいい点を取ればいい」と考えると志望校を逃しかねない。7月にかけ、新学年で初の定期テストが行われる。関係者は「中1から地道に備えておくことが重要」と指摘する。

 内申点とは、中学校での学びの成果を点数化したもの。9教科(国語、数学、英語、社会、理科と実技4教科=音楽、美術、保健体育、技術家庭)の5段階評定で、教員が調査書を作成し、志望校に提出する。

3年間の頑張り評価

 岡山県の一般入試の場合、中1、2がそれぞれ9教科×5の45点満点。中3は5教科を2倍、実技4教科を3倍にした110点満点。試験がないため、実技4教科の点数割合が高いのもポイントだ。内申点の3年間の合計は最大200点となる。入試当日は5教科×70点の350点満点なので、内申点の影響は4割弱にもなる。

 県教委によると、内申点に中1、2の成績を含めるようになったのは2016年度入試から。それ以前は中3のみの110点満点で、入試当日の結果のウエートが高かった。「中1から先を見据え、こつこつ頑張ってほしい」との狙いで変更したといい「当日に力を発揮できなかったとしても、3年間の頑張りがきちんと評価される仕組み」と説明する。

通知表で予測可能

 内申点は自身が何点取れているか分からないため、不安視する生徒や保護者も多いが、通知表で予測は可能。中1、2では3学期の通知表で科目の評定が「5」なら内申点も満点の5点となる。中3は受験時までに3学期の通知表が出ていないため、2学期の評定を参考に算出する。通知表の評定は、生徒ごとの学習の到達度を基準にした「絶対評価」で行い、各中学校で1~5の割合は異なるという。

 生徒たちの不安や疑問に対応するため、岡山県内の中学校の多くは進路学習の時間などを利用して、中1のうちから調査書や内申点について説明しているという。

 学習塾も対策に力を入れる。「実際に、試験で合格ラインの点数を取れていたのに志望校に入れなかったケースがあった。内申点イコール合格の必須条件と言える」と、鷗(おう)州塾(広島市)の岡山県責任者河野太郎さん(49)。塾では、教室に内申点の算出方法や過去に合格した塾生のデータを基にした主要高校の平均内申点を張り出し、意識を高めている。...
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