衆院島根１区補欠選挙は２８日投開票され、立憲民主党元職の亀井亜紀子氏（５８）が、自民党新人の元中国財務局長錦織功政氏（５５）＝公明推薦＝との一騎打ちを制し、通算２度目の当選を果たした。小選挙区制導入以降、自民が独占を続けた「王国」島根県で、野党として選挙区議席を初めて奪取した。錦織氏は自民派閥の裏金事件が響いた。

　島根県選挙管理委員会によると、投票率は５４・６２％で、過去最低だった２０１４年の５７・９４％を３・３２ポイント下回った。

　亀井氏は松江市で記者団に「保守王国と言われる島根県での今回の結果は、大きなメッセージとなって岸田政権に届く」と述べた。

　選挙戦では裏金事件を踏まえ、クリーンな政治を実現すると主張。消費税のインボイス制度批判も展開した。幅広い野党支持層や無党派層に浸透し、自民支持層の批判票も取り込んだ。

　錦織氏は「政治改革を先頭に立って引っ張ることを約束する」と訴えた。小渕優子選対委員長ら党幹部が連日のように選挙区入りし、岸田文雄首相も２度応援に駆け付けたが、支持は広がらなかった。