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姫新線久世駅で途中下車その2 牛馬市のにぎわいを探しに

 倉吉踏切は、姫新線久世駅の東約300メートルの所にある。倉吉は鳥取県の倉吉を指し、踏切を渡る道は大山や倉吉につながる大山道。久世で牛馬市が開かれていた頃はたくさんの牛や人が行き交った。

 大山牛馬市は明治時代、年間1万2000頭もの牛馬が集まる国内最大の家畜市だった。大山寺にお参りする人や、牛や馬を連れた商人が歩いた大山道には、牛馬と暮らした生活の姿が残り、その農村風景や食文化は2016(平成28)年、日本遺産「地蔵信仰が育んだ日本最大の大山牛馬市」に認定された。

 久世牛馬市と各地の牛馬市を結んだ道の代表が、蒜山そして大山へと向かう大山道。明治時代まで美作(岡山県北東部)と伯耆(鳥取県中西部) を結んでいた山道には、栄町から三坂峠を越えるルートと、上町(かんまち)から帰路尾峠を越え、山久世から旭川に沿って湯原に抜けるルートとがあった。倉吉踏切は三坂峠越えルートにある。

 久世牛馬市は1604(慶長9)年、初代津山藩主・森忠政の許しを得て上ケ市(うえがいち)で始まった。...
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