山陽新聞デジタル|さんデジ

遺伝子検査を活用 市民の病気予防 岡山大と玉野市 全国初の事業

遺伝子検査を活用 市民の病気予防 岡山大と玉野市 全国初の事業
遺伝子検査を活用した健康増進事業の連携協定を結んだ柴田市長(左から3人目)、前田病院長(同4人目)ら
遺伝子検査を活用した健康増進事業の連携協定を結んだ柴田市長(左から3人目)、前田病院長(同4人目)ら
 岡山大、玉野市などは2024年度から、遺伝子検査を活用して市民の健康増進を図る事業に乗り出す。希望する市民の血液を民間の検査機関が分析し、かかりやすい病気などを特定、遺伝医学の専門家らが生活習慣の改善に向けた助言を行う。官民学連携での遺伝子検査を用いた地域保健事業は全国初という。玉野市役所で28日、連携協定締結式があった。

 検査対象は、地方独立行政法人・玉野医療センター(同市)で人間ドックや特定健診を受ける市民。同センターから検体の提供を受け、遺伝子検査サービスのNTTライフサイエンス(東京)が糖尿病や肺がん、脳梗塞といった病気の発症リスクを解析する。結果を基に同センターと岡山大病院が連携し、受診者に生活習慣の改善点などを助言。同病院からは遺伝に関する不安や悩みの相談に応じる「認定遺伝カウンセラー」の派遣も予定する。

 事業期間は3年で、24年度下半期の開始を見込む。玉野医療センターは市民病院、玉野三井病院を統合した新病院を25年1月に開院予定だが、準備が整えば、統合前の両病院で検査を始める。初年度の検査目標は50人で、受診者に費用負担は求めない方針。

 前田嘉信岡山大病院長は「人口規模の適切さ、関係機関の理解があって玉野をフィールドに選んだ。生活習慣病や介護予防のプログラム開発なども図り、成果を世界へ発信したい」、柴田義朗市長は「先進的な取り組みに期待している。玉野が健康長寿のまちと言われるよう協力したい」と述べた。

関連記事

あなたにおすすめ


さんデジ特集

TOP