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『X-MEN:ダーク・フェニックス』 ダークサイドの解放で、主人公は仲間と戦うことに

(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation
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 20世紀フォックスをディズニーが買収したことで、X-MENもアベンジャーズに合流か?という噂が飛び交う中、シリーズ最終章を謳って公開される。とはいえ、あくまでも『ファースト・ジェネレーション』(2011年)でキャストを一新した新シリーズの最終章で、シリーズ全体としては2度目の最終章ということになる。そもそも記念すべき第1作『X-メン』(2000年)は、VFXを多用したアメコミ映画の大作でありながら、ブライアン・シンガー監督の視線の演出による空間設計が一つの達成を見せた作品であり、優れた芸術性も兼ね備えていた。『X-MEN』といえば差別問題をミュータントに仮託した社会性ばかりに目が行きがちだが、それだけではないのだ。

 本作で監督を務めるのは、脚本家としてずっとシリーズに関わってきたサイモン・キンバーグ。原作シリーズの中でも人気の高い『ダーク・フェニックス サーガ』に基づいており、ジーン・グレイが主人公だ。宇宙ミッション中に太陽の放射熱を浴びたことで秘めたダークサイドを解放してしまい、仲間たちと戦うことに…。一人の人間の中に潜む二面性というと一見深みがありそうだが、人間は本来もっと複雑なはず。それを分かりやすい図式へと回収した物語を「ここであなたを怖がっているのは、あなただけ」といった気の利いたセリフで装飾する。対照的に演出は凡庸で、シンガー監督の作品が“監督の映画”なのに対し、本作は“脚本家の映画”といえる。だが、シリーズのファンにとってはどうでもいいことかもしれない。気になるのは今後の行方だろうから。★★★☆☆(外山真也)
監督・脚本:サイモン・キンバーグ
出演:ソフィー・ターナー、ジェシカ・チャステイン
6月21日(金)から全国公開

(2019年06月18日 08時09分 更新)

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