山陽新聞デジタル|さんデジ

『ホワイト・クロウ 伝説のダンサー』 ヌレエフの半生を現役ダンサーが演じる

(C)2019 BRITISH BROADCASTING CORPORATION AND MAGNOLIA MAE FILMS
(C)2019 BRITISH BROADCASTING CORPORATION AND MAGNOLIA MAE FILMS
 クロード・ルルーシュの『愛と哀しみのボレロ』のモデルとなったことでも知られる、ソ連出身の伝説的なバレエダンサーのルドルフ・ヌレエフ。その前半生を描く伝記映画だ。ヌレエフをウクライナ出身の現役バレエダンサーであるオレグ・イヴェンコが演じている。

 バレエを題材にした映画が多いのは、純粋なバレエ人気だけではなく、“肉体”“運動性”など映画的な題材だからでもあるだろう。加えて、本作の場合は、ヌレエフ自身の人生もドラマチック。生まれたのは列車の中、恩師の妻との道ならぬ関係、空港での亡命…まさにそのスリリングな亡命劇が、映画のクライマックスになっている。

 監督は、英国の人気俳優レイフ・ファインズ。既に3本目の監督作ということもあり、板に付いている。特に感心させられたのが、過去のシーンの挟み方だ。現代(といっても舞台となる1960年代)を当時の雰囲気を出すためにテクニカラーのような鮮やかな色彩、対して過去は、銀残しのようなモノクロに近い色調で区別されていて、強烈なコントラストを成すと同時に、過去が現代のシーンを意味づけるように示唆的に紛れ込んできて、観る者をハッとさせるのだ。

 ただし、ファインズは恩師役で出演もしているのだが、劇中でとても重要な要素となる師弟の関係性ばかりか、師が何を考えているのかすら伝わってこないのは、残念。それだけ演出の方に心血を注いだということか。★★★★☆(外山真也)
監督:レイフ・ファインズ
出演:オレグ・イヴェンコ、アデル・エグザルホプロス、レイフ・ファインズ
5月10日(金)から全国順次公開

(2019年05月07日 08時07分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ