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『パパは奮闘中!』 家事ゼロのダメ男が妻に家出され…

(C)2018 Iota Production/LFP-Les Films Pelleas/RTBF/Auvergne-Rhone-Alpes Cinema
(C)2018 Iota Production/LFP-Les Films Pelleas/RTBF/Auvergne-Rhone-Alpes Cinema
 ロマン・デュリス演じるオリヴィエは、ネット販売の倉庫で班のリーダーとして働いている。残業が多く、家のことは共働きの妻に任せっきり。ところが、突然妻が家出し、慣れない子供の世話と仕事の両立に悪戦苦闘…。名作『クレイマー、クレイマー』の21世紀版を謳ったベルギー映画だが、実は本作の肝はそこではない。

 そもそも今の時代に、『クレイマー~』の設定は映画として通用しないだろう。もちろん、家事や育児の大変さを知って妻のありがたみに気づく、子供たちと初めて向き合うことで絆が生まれる…といった大人の成長物語としての魅力は本作にもあるけれども、それ以上に痛感させられるのは「男ってダメだな」ということ。

 それはダスティン・ホフマンと比較してという意味ではない。確かに経済的には劣るかもしれないが、オリヴィエだって仕事熱心だし、妻子への愛情もしっかりある。そうではなく、純粋に時代性の問題。令和になろうとする今、昭和な男はもはや、日本だけでなくヨーロッパでも許されなくなったということだろう。

 そんな、一見ダメに見えないオリヴィエのダメ男ぶりを顕在化させているのが、第三者の活用のうまさ。とりわけ彼の妹の存在が利いていて、オリヴィエの一人称映画ともとれる本作に客観的な視点をもたらしている。ロマン・デュリス目当ての女性映画ファンだけでなく、むしろ男性にこそ観てもらいたい。★★★★☆(外山真也)
監督:ギヨーム・セネズ
出演:ロマン・デュリス、レティシア・ドッシュ、ルーシー・ドゥベイ
4月27日(土)から全国順次公開

(2019年04月23日 08時08分 更新)

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