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岡山県内で自主映画の製作活発に 機材が低価格化、SF作品も

映画「ミネルヴァの梟 Chronicle」のロケ。撮影には小型ドローンなども用いた=7月12日
映画「ミネルヴァの梟 Chronicle」のロケ。撮影には小型ドローンなども用いた=7月12日
 岡山県内での自主映画製作が近年、活発化している。デジタル技術の進展で、撮影やCG作成などの機材が低価格化し、作業も容易になったことなどが背景にあるとみられる。地域性豊かな作品からSF、本格的な人間ドラマまでジャンルは多彩で、新たな表現手法の広がりも期待される。

 突然、室内に現れた謎の飛行ロボットに女性が目を見張る―。7月上旬、近未来を舞台にしたSF映画「ミネルヴァの梟(ふくろう) Chronicle」が岡山市内で撮影された。映像作家の大西貴也さん(34)=同市=がメガホンを取り、友人らと共に製作を進める。

 科学技術がより進んだ社会を描くため、コンピューターでの映像合成を多用するが、作業はプロの技術者ではなく大学生スタッフが担う。撮影にも小型無人機ドローンなどを駆使し、「これまでアマチュアでは難しかった映像が、手軽に低予算で撮れるようになった」と大西さん。製作を通じて「地域で活動する役者らを応援したい」と意気込む。

全編をスマホで

 かつて自主映画は8ミリカメラでの撮影が主流だったが、家庭用デジタルビデオカメラが普及し、動画製作が急速に身近になった。編集機材の低価格化も進み、個人用パソコンに映像編集ソフトを入れれば簡単にCGの作成、合成作業ができる。

 省コストの最たる例がスマートフォンでの撮影だ。倉敷市児島地区の魅力を発信する作品を手掛ける桑田浩一さん(51)=同市、美容院経営=は、桃太郎伝説から着想を得た「ももの姫伝説 Shimotsui」(2020年)を全編スマホで撮った。

 普通のスマホを手に地域住民らと鷲羽山などでロケを行い、架空の島はミニチュアを自宅の風呂に浮かべて撮影したという。「スマホは狭い場所でも撮影しやすい。画質も良くスクリーンでの上映に十分堪えられる」と話す。

 作品の質を高め、国際的な映画祭に挑む監督も現れている。岡山市在住の映像作家安井祥二さん(39)は、男性の不妊症を題材にした短編「からっぽのシュークリーム」を製作。6月にアジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2021」のジャパン部門で観客、視聴者が選ぶ「オーディエンスアワード」に輝いた。

発表の場増える

 多彩な作品が生まれる背景には、地域で発表の場が増えたことも影響する。県内の映画愛好家らが隔年開催する「岡山映画祭」は、地元作品を積極的に上映するだけでなく、製作を志す人々を壇上に招いて紹介している。

 岡山メルパ(同市)では「OKAYAMAショートムービー祭」(同祭実行委主催)を12年から実施。毎年応募のあった短編映画から10作品程度を上映、賞を授与して製作者を応援する。

 岡山映画祭の小川孝雄実行委代表は「専門知識がなくても映画を作れる時代が訪れ、裾野の広がりの中から良作が生まれている。今後も作家の創造をサポートしていきたい」と話している。

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