山陽新聞デジタル|さんデジ

自転車ヘルメット 大人用販売に力 岡山県内、4月義務化へ商品充実

約40種類の大人向けヘルメットをそろえるイオンバイク倉敷店
約40種類の大人向けヘルメットをそろえるイオンバイク倉敷店
cycleZはヘルメットを留めて持ち歩けるリュックサックを推す
cycleZはヘルメットを留めて持ち歩けるリュックサックを推す
 自転車乗車時のヘルメット着用を全年齢で努力義務とする改正道交法の施行(4月1日)を前に、岡山県内の自転車店が関連商品の販売に力を入れている。13歳未満に限っている努力義務の対象が広がり、各店は特に大人の需要が高まるとみて、カジュアルな服装に合う帽子形、クロスバイク利用者向けのスポーツタイプなどを充実。ヘルメットを留めて持ち歩けるリュックサックの取扱店もある。

 法改正は、事故死のリスクを低減する狙い。警察庁によると、2017~21年の自転車事故でヘルメット未着用時の致死率は着用時の2・2倍。岡山県内の昨年の死者18人は全員着けていなかった。努力義務のため罰則はない。

 イオンモール倉敷(倉敷市水江)内の専門店・イオンバイク倉敷店は1月上旬、大人向けのヘルメット販売コーナーを入り口付近に移した。「ヘルメットを着用しよう!!」と記したポップ(販売促進広告)を掲げ、前年の3倍の約40種類を並べる。20~60代と幅広い年齢層が購入している。

 売れ筋は、帽子のつばのような日よけ付き(7040円)、ブランドロゴをプリントしたシンプルなデザイン(6380円)など。いずれも黒やクリーム色が人気で、主に「ママチャリ」利用者が買い求めている。通気孔が多いスポーツタイプもある。

 担当者は「売り上げは前年の2倍以上。新生活の準備で自転車の購入が増える3月末に向け、ポップなどを通じてアピールしていきたい」と語る。

 急ピッチで大人用ヘルメットを増やすのは、ホームセンター・タイムが展開する専門店ブラヴォ岡南店(岡山市南区築港栄町)。1月中旬まで1種類だった商品を今月上旬までに4種類に増やした。スポーツタイプのほか、淡い色合いで帽子のような丸みを帯びたデザイン(8580円)などを扱う。

 客層は中高年の男女が多いといい、今後はヘルメットが目立たないようつばの広い専用の帽子をかぶせて装着する商品なども増やしていく。メーカーに注文が殺到し取り寄せにくくなっているといい、「商品を確保し、商機を逃さないようにしたい」と同店。

 自転車専門店の「cycleZ」(サイクルゼット、同市北区島田本町)はヘルメットを留めるクリップ付きのリュックサック(1万3200円)を推す。通気孔にクリップを通して固定する。「クロスバイクやロードバイクの多くは前籠がなく、ヘルメットの置き場所に困りがち。レンタサイクルを乗り捨ててヘルメットを持ち歩く際も役立つ」と担当者。

 同店は海外メーカーのヘルメット約50種類も扱う。日本人の頭の形に合う商品をそろえており、担当者は「安全性をより高めるため、試着して頭にフィットするものを選んでほしい」と話している。

あなたにおすすめ

TOP