山陽新聞デジタル|さんデジ

飛田晴康 先生

歯並びの矯正

歯並びの矯正
 「虫歯や歯周病を防ぎ、一生自分の歯で食べたい」「歯を見せて、思いっきり笑いたい」。こうした願いをかなえるためには、美しく整った歯並びが大切です。歯並びの矯正治療は、従来のワイヤを用いる方法からデジタル技術を駆使したマウスピース型のものまで選択肢が広がっています。治療の種類やメリットについて、レディアホームドクターの飛田歯科医院の飛田晴康先生に聞きました。

ワイヤとアライナー 選択肢広がる治療法

Q:歯の矯正治療はなぜ、必要ですか

A:歯の健康維持に効果

 日本人の平均寿命から考えると、永久歯は約60~70年間毎日使い続ける道具です。自分の歯を生涯使うには、歯の健康を維持することが大切で、虫歯や歯周病と、歯に無理な力が加わって破損するようなかみ合わせを予防することが重要です。矯正治療は歯並びを良くすることで、虫歯や歯周病の原因である歯こうの付着が少なくなり、歯磨きなどで除去も容易になります。また歯や顎(がく)関節に無理な力が加わりにくくなり長く使うことができます。

 歯を長く使えるだけでなく、歯並びが美しくなり「歯を見せて思いっきり笑えるようになった」と喜ぶ人もいます。そのほかにも歯の位置が良くなることで、お口の健康に必要な嚥下(えんげ)障害の防止や口呼吸を防ぐ場合もあります。

Q:矯正治療の種類とそれぞれの特徴を教えてください

A:100年以上歴史があるワイヤ矯正 マウスピース矯正は食事制限なし

(種類) 主に、ワイヤ矯正とアライナー(マウスピース)矯正の2種類があります。ワイヤ矯正は100年以上の歴史があり、長年にわたって学術的な研究や機材の開発がなされ、基本的には確立された治療方法です。このうちスタンダードタイプは、すべての歯の表面に取り付けたブラケットという器具にワイヤを通し、ワイヤの弾性で歯を少しずつ動かしていきます。もう一つのリンガルタイプは歯の裏面に器具を装着するため、外側からは目立ちにくい利点があります。

 アライナー矯正のうちインビザラインは米国企業で1990年代半ばに開発され、日本には2000年代に導入されたので歴史は浅く、発展途上の治療方法です。口腔内の3Dスキャンデータを基に医療用プラスチック製のマウスピースを作り、1~2週間ごとに交換することで歯を動かします。また、歯を動かしやすくするためにアタッチメントという小さな突起を一部の歯の表面に付けます。

(特徴) スタンダードタイプは、歯の表面に装着するため少し目立ちます。リンガルタイプは歯の裏面の装置に舌が当たり発音が不明瞭になります。両タイプとも器具やワイヤが口の中の粘膜を傷つけやすいため、装着中に痛みや口内炎が生じることがあります。また食事制限があり、おかきや氷など固い物のほか、キャラメルやガムなど歯に付きやすい物は装置を壊しかねないので避ける必要があります。器具やワイヤが外れるといった緊急を要するトラブルが起こることもあり、装着を直したり、場合によっては交換したりします。なお治療期間中は装置やワイヤを外すことはできません。

 インビザラインは、透明に近い厚さ0.5ミリのマウスピースで見た目があまり気になりません。原則として食事中は外すため、食事制限がありません。ただ、食事と歯磨き以外は1日22時間以上装着することが必要です。上下の歯をマウスピースで覆うので口の粘膜を傷つけることはほとんどありません。

Q:おおよその治療費は?

A:ほとんどが保険適用外 治療内容により費用に幅

 ほとんど保険適用外のため10万~120万円ほどかかり、歯並びの程度や矯正装置の違いなどで幅があります。治療費は基本的に①治療前の検査費②矯正治療費③矯正期間中の管理費④矯正後に歯の後戻りを防止するリテーナー(保定)費―の四つで、各費用と総額を事前確認することが必要です。

Q:治療を考えている人にアドバイスを

A:各治療に長所と短所 医師としっかり相談を

 各治療法にはメリット、デメリットがあり、費用も高額なので治療前に医師としっかり相談することが大切です。インターネットで各医院の治療法を調べたり、複数の医院を訪ねて直接疑問点を聞いたりするのも良いでしょう。

先生紹介

  • 飛田晴康 先生

    飛田歯科医院

    岡山市北区広瀬町11-19

    086-222-3194

    飛田歯科医院院長。1985年大阪歯科大学卒業。東京都港区、京都府園部町、神戸市東灘区の歯科医院勤務を経て、2005年より現職。

TOP